「アドベ」の版間の差分

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[[Image:AdobeSurfaceCoatingRenewalOnWall.jpg|frame|right|ニューメキシコ州チャミサル(Chamisal)でのアド壁の表面の改装]]
 
'''アド'''([[スペイン語]]:'''Adobe''')または'''アドービ'''([[英語]]発音)とは、砂、[[砂質粘土]]と[[わら]]または他の有機素材で構成された[[天然建材]]である。これらの有機素材を木製の型枠を使って日なたで干すことでレンガの形にして使われ、[[ヨーロッパ]]の[[コブ]]([[w:Cob (building)|Cob]])や[[日干しレンガ]]によく似ている。アドベの構築物は非常に耐久性に富み、地球上に現存している最古の建築物によく使われている。アド建築物は熱を吸収してから非常にゆっくりと放出するため、建築物の内部は涼しいままに保たれ、暑くて乾いた気候に適している。
 
日干しの土で作られた建築物は、中東や北アフリカ、そしてスペイン(通常[[ムデハル様式]])で一般的だが、アドベは数百年もの間、[[アメリカ合衆国]]南西部([[プエブロ]])、中央アメリカ、そして南米のアンデス山脈の地域の、アメリカ大陸の先住民によって使われてきた(ただ、しばしば多量の石もプエブロの建築物の壁に使われている)。このレンガの製作法は、16世紀にメキシコとペルーを探険したスペイン人によって輸入された。通常のレンガのサイズのものから、大きいもので1、2ヤード(0.91~1.82m)の長さのものまであるのが特徴である。
 
アド(Adobe)という単語は、4000年間もの間発音と意味に驚くほど小さな変化をきたしながら伝えられている。紀元前2000年の中期[[エジプト語]]の単語"dj-b-t"が「泥の(または日干しの)レンガ」を意味し、中期エジプト語がが後期エジプト語、民衆文字([[デモティック]])、最終的には[[コプト・エジプト語]](およそ紀元前600年)へと変化するにつれ、"dj-b-t"は「トベ」("tobe"、「泥のレンガ」)になった。これは[[アラビア語]]の"トゥーブ"(طوب、"レンガ")に発展し、これにアラビア語の[[定冠詞]]「アル」(ال)をつけた「アットゥーブ」(الطوب)が古[[スペイン語]]に取り入れられ、"泥のレンガ"という意味のアドベ(adobe)となった。英語の語彙には、18世紀初めにスペイン語から導入されて現在に至っている。
 
[[Image:Taos Pueblo3.jpg|thumb|right|250px|アドベを用いた[[タオス・プエブロ]]の複合住居]]
現代の用法においては、用語"アドベ"は、北アメリカの砂漠気候地帯、とりわけニューメキシコ州でのプエブロの伝統建築を模倣した一般的な建築物のスタイルを意味するようになった。なお、アメリカ合衆国の南西部にはアドベ以外の素材に「[[スタッコ仕上げ]]」([[w:Stucco|stucco]])を施してアドベ建築と外見を合わせた「にせアドービ」(fake adobe)も存在する。
 
==アドの素材==
 
[[Image:RomaniaDanubeDelta MakingMaterialForCOnstructing0002jpg.JPG|thumb|right|150px|粘土とわらをブロックの型枠に混ぜこんでいく]]
[[Image:RomaniaDanubeDelta MakingMaterialForCOnstructing0004jpg.JPG|thumb|right|150px|型枠を外して日干しで乾燥させるとアドの完成]]
 
アドレンガは、水を混ぜた[[粘土]](通常、砂を含む)と、わらか動物の糞などの有機素材で作られている。わらはレンガを固め、均等に乾燥させやすくする働きがある。糞も同じ利点があり、他に昆虫を退けるために加えられる。
 
===アドレンガ===
アドレンガはフタなしの枠で作られる。36cm(14インチ)×25cm(10インチ)が最適のサイズだが、他の使いやすいサイズも許容される。枠に土とわらや糞を混ぜたものを詰めて成形し、すぐに枠を取り外す。数時間乾燥させた後、レンガを立てて十分に乾燥させる。日陰でゆっくりと乾燥させると、アドレンガにひびが入りにくい。
 
レンガの製作よりもわらを少なめにした同様の混合物は、内面と外壁のモルタルとしばしば漆喰のために使用される。いくつかの古代の文化では、雨の害から守るために漆喰用に石灰をベースにしたセメントが使用されている。
 
アド(レンガ)で作られたこれまでで最大の構造物は[[アルゲ・バム]]で、2003年12月26日の地震によって重大な被害(最大80%)を受けた。他の大きなアド構築物の例としては、[[ペルー]]の1億個のサインされたレンガを使って建造された[[モチェ文化]]の神殿である[[太陽のワカ]]([[w:Huaca del Sol|Huaca del Sol]])や、[[チャン・チャン]]と[[タンボ・コロラド]]([[w:Tambo Colorado|Tambo Colorado]])の遺跡がある。
 
===熱的性質===
アド壁は、重要な蓄熱材として利用することができる。北半球では、南向きのアド壁は室内の加熱と冷却を加減するため非断熱のままにしておいてよい。アド壁は暑い日中の間は内部を十分に涼しいままにしておけるくらい厚いのが理想的だが、厚すぎると逆に夜間に壁を通して外に熱することが難しくなる。また熱を効率よく蓄えるため、外壁をガラスで覆っておくこともできる。[[受動的ソーラー建築設計]]([[w:Passive solar building design|passive solar building design]])では、このような壁は[[トロンブ壁]]([[w:Trombe wall|Trombe wall]])と呼ばれている。アド壁は熱量を蓄える質量の密度が比較的高いため、このタイプの建築物は[[熱帯]]性の気候においてもっとも利便性がある。[[温帯]]気候の地域では地面と壁から熱が逃げるため、アド壁を使った温度調節はあまり効果的ではない。
 
==外部リンク==
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