「密度効果」の版間の差分

 
もっともこれには違う考え方もある。ヨツモンマメゾウムシにはよく飛ぶ型と飛ばない型があるが、飛ぶ型のほうが野生型であるとの説がある。飛ぶ型はよく移動し、あまり個体群密度が高くならない。飛ばない型は移動性が低く、高密度で生育する。後者は人間が穀物を貯蔵するようになったことから、彼らはそれを餌にするようになり、飛ばない型はそれに適応したものだというのである。京都大学でこのゾウムシを景継代飼育した結果、次第にこの型が増加したとの研究結果がある。それでも、高密度下では飛ぶ型が出現しがちであるという(森下,1979からp.368)。
 
== ロジスティック式と最適密度 ==
個体群成長の基礎モデルとしてロジスティック方程式がある。これは次のような形をしている。
 
:<math>\frac{dN}{dt} = N(r - kN)</math>
 
ここでNは個体数、rは内的自然増加率、kは1個体の増加による増殖率の低下率である。つまり、本来の増殖率rに対して、個体数がNの時にはkNの分だけブレーキがかかる。これを環境抵抗というが、密度効果はこの一部をなすものと考えられる。
 
この式を見れば、N=0でない限りはNが小さいほど増加率は高いことがわかる。横軸にN、縦軸に増加率を取れば、一方的に右下がりの曲線となろう。この型を、最初に発見されたショウジョウバエにちなんでショウジョウバエ型(''Drosophila'' type)という。しかし、その後に極端に低い密度では逆に増加率が下がる例が見つかり、これをアレー型(またはコクヌストモドキ型 ''Tribolium'' type)という。この場合、明らかに増殖率が最大となるような最適密度が存在する。内田はこれについて、おそらくショウジョウバエ型においても、さらに極端な低密度では増殖率は低下するはずだと述べており(例えば交尾相手も見付けられないような密度)、ロジスティック式は低密度には適用できないとの見解を示している。
 
== 参考文献 ==
28,698

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