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西洋では[[古代エジプト]]・[[古代ギリシア]]・[[古代ローマ]]の住居などの跡に壁画が見られる。特に[[サントリーニ島]]や[[ポンペイ]]、[[ヘルクラネウム]]など火山災害に襲われて瞬時に埋まった地域では建物の中から保存状態の良い壁画が発見されている。こうした西洋の壁画の技法は「[[フレスコ]]」と呼ばれるもので、後にキリスト[[教会]]などの壁画や天井画にも使われ、[[ペンキ]]や[[スプレー]]が普及した21世紀でも壁画制作に使用されている。[[ミケランジェロ・ブオナローティ|ミケランジェロ]]の作である[[バチカン]]の[[システィーナ礼拝堂]]の『[[最後の審判 (ミケランジェロ)|最後の審判]]』などは有名である。また、[[レオナルド・ダ・ヴィンチ]]による[[ミラノ]]の[[サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院]]の食堂の壁画『[[最後の晩餐 (レオナルド)|最後の晩餐]]』もこの時代の有名な壁画だが、これは[[テンペラ画]]であり、食堂という環境もあり劣化が早かった。
 
[[メソアメリカ]]では、[[チアパス州]]の[[ボナンパク|ボナンパック]]遺跡([[古典期]]後期)と中央高原の[[カカシュトラ]]遺跡([[後古典期]]前期)の壁画がよく知られている。[[アンデス文明|アンデス]]では、[[プレ・インカ]]の時代からリマ文化や[[モチェ文化]]などの神殿のやわらかな日干し煉瓦([[アドベ]])の壁面に施された浮き彫りに彩色されている事例のほかにエル=ブルーホ、パニャマルカがなどで直接彩色した壁画が見られる。またモチェより後に北海岸で北方のヘケテケ川中流域のバタン=グランデを中心に[[10世紀]]ごろ繁栄した[[シカン文化]]のベンタナス神殿にも見られる。
 
古代の壁画は、遺跡や墳墓の発掘調査の進展と共に多く見つかるようになっているが、長年外気や湿気に触れなかった繊細な壁画はカビや光で痛む可能性があるため、どのように保護し、また観覧に供するかは今後の課題である。[[ラスコー洞窟]]は観覧者の吐く息の二酸化炭素や持ち込んだカビ類で洞窟壁画が傷み、閉鎖されているが、これは保存が間一髪で間に合った幸運な例である。