「宇宙開発競争」の版間の差分

核兵器運搬手段
(核兵器運搬手段)
 
=== 宇宙開発競争の萌芽 ===
第二次大戦の後、アメリカとソ連は[[スパイ]]や[[プロパガンダ]]を通じた苦い[[冷戦]]の時代に入ってゆく。宇宙探検と人工衛星技術は、両方の陣営で最もシンボリックな冷戦の尖兵となっていった。衛星技術が発達すれば[[偵察機]]を飛ばすことなく他国をスパイすることが可能となり、宇宙旅行が成功すれば国家の科学分野における勇気と軍事的な潜在能力を喧伝できるプロパガンダになる、と考えられたからである。人類を軌道上や月の特定地点に運ぶロケットと同じものが、敵国の特定都市の特定地点に[[原子爆弾]]を運ぶ[[核兵器運搬手段]]となるかもしれなかった。宇宙旅行のために必要とされ開発された技術が、[[大陸間弾道ミサイル]](ICBM)など戦時のロケットのためにも同様に適用できるかもしれなかった。
 
また冷戦下では政治、経済、技術、文化、娯楽、スポーツなど、直接の戦火以外のあらゆる分野で両陣営が優劣を競って熾烈な戦いを繰り広げていた。軍備拡張競争のもつ軍事以外の側面と同様、宇宙での前進は単に相手国に先駆けたというだけにとどまらず、その国の技術や[[経済]]での大胆さの指標とみなされ、そのような成果を達成できる国家の[[イデオロギー]]の正しさや優秀さともみなされた。宇宙開発には二つの目的があった。平和的な科学的成果を収めることと、軍事的・心理的な成果も収めることである。