「ピアノ協奏曲第1番 (ブラームス)」の版間の差分

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また初演当時まだ25歳という若さもあってか、冒険的な要素も多い。例えば伝統的な協奏ソナタの主題提示と異なるやり方を採用したり、[[19世紀]]の[[ヴィルトゥオーゾ]]による協奏曲に反して、[[オーケストラ]]を独奏楽器の単なる伴奏として扱うのではなく、独奏楽器と効果的に対話させてシンフォニックな融合を目指したことが挙げられる。ただしブラームスの努力は本作では完全には実現されず、かなり後の《[[ヴァイオリン協奏曲 (ブラームス)|ヴァイオリン協奏曲]]》や《[[ピアノ協奏曲第2番 (ブラームス)|ピアノ協奏曲 第2番]]》において具現化された。
 
古典的な3楽章構成を取ってはいるものの、第1楽章が協奏曲の一般的な概念から考えてもいささか長大であったり(指揮者にもよるが、一般的にチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番よりも長い)、成熟期の作品に比べるとまだ[[管弦楽法]]が未熟で、とりわけ楽器間のバランスに問題があるなどの欠点を抱えた作品である。しかし先述のようなブラームスの初期作品ならではの魅力に加え、作曲様式においては非常に練れた作品であり、時が経つにつれて作品の評価も高まっていった。
 
現在ではその壮大な[[古典派音楽|古典主義]]的な構想や、見栄えのするピアノの超絶技巧、初期作品ならではの情熱的で気魄に富んだ表現などから、ブラームスの初期の代表作として認知されている。