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'''法的拘束力'''(ほうてきこうそくりょく)は、[[国会]]または[[行政]]の[[処分]]・[[運用]]、[[裁判所]]の[[判決]]・[[決定]]、民事上の合意、国家間の合意について、正式な[[法律]]([[慣習法]]を含む)上の効果が義務となるかどうかを評価するときに使用される概念。個々の事例において総合的に判断する必要があり、単純に法的拘束力があるかどうがあると定義できるのではない
 
== 国会 ==
'''法的拘束力'''(ほうてきこうそくりょく)は、[[国会]]または[[行政]]の[[処分]]・[[運用]]、[[裁判所]]の[[判決]]・[[決定]]、民事上の合意、国家間の合意について、正式な[[法律]]([[慣習法]]を含む)上の効果が義務となるかどうかを評価するときに使用される概念。
国会:法律は当然法的拘束力を有すが、[[強行規定]]と[[訓示規定]]ではその濃淡は存在する。[[附帯決議]]は法律のような法的拘束力はないとされ、政治的意味があるにとどまるとされている。[[内閣不信任]]は[[衆議院]]のみが憲法上拘束力をもつと明記されるため、[[参議院]]の[[問責決議]]では[[総辞職]]の義務はないとされている。しかし2008年4月13日の[[イタリア]]上下両院総選挙は上院での信任決議が否決され、イタリア憲法では上院の信任否決でも内閣総辞職の法的義務はないと明記されながらも上下両院解散総選挙となったのであり、政治的な意味は法的拘束がなくともある。
 
== 行政 ==
個々の事例において総合的に判断する必要があり、単純に法的拘束力があるかどうがあると定義できるのではない。
行政:処分一般が対象である。[[公正取引委員会]][[勧告]]のように勧告の名称であっても一定の法的拘束力があり、不服の場合には不服申し立て手続きによって争うことができる例がある。[[通達]]や[[訓令]]、[[要綱]]は行政内部のみ拘束力を有し、外部には効果は与えないため裁判では拘束力あることにはならない。
 
== 裁判所 ==
国会:法律は当然法的拘束力を有すが、[[強行規定]]と[[訓示規定]]ではその濃淡は存在する。[[附帯決議]]は法律のような法的拘束力はないとされ、政治的意味があるにとどまるとされている。[[内閣不信任]]は[[衆議院]]のみが憲法上拘束力をもつと明記されるため、[[参議院]]の[[問責決議]]では[[総辞職]]の義務はないとされている。しかし2008年4月13日の[[イタリア]]上下両院総選挙は上院での信任決議が否決され、イタリア憲法では上院の信任否決でも内閣総辞職の法的義務はないと明記されながらも上下両院解散総選挙となったのであり、政治的な意味は法的拘束がなくともある。
裁判所:判決と決定は主文のみが法的拘束力を[[当事者]]に対して義務とする。しかし、金銭支払いは、裁判所を通じて[[強制執行]]できるの対し、地位確認などの[[形成訴訟]]でいくら主文で命じても強制的に国家が実現することは不可能であり、実質的には実現できない場合もある。
 
行政:処分一般が対象である。[[公正取引委員会]][[勧告]]のように勧告の名称であっても一定の法的拘束力があり、不服の場合には不服申し立て手続きによって争うことができる例がある。[[通達]]や[[訓令]]、[[要綱]]は行政内部のみ拘束力を有し、外部には効果は与えないため裁判では拘束力あることにはならない。
 
== 国際関係 ==
裁判所:判決と決定は主文のみが法的拘束力を[[当事者]]に対して義務とする。しかし、金銭支払いは、裁判所を通じて[[強制執行]]できるの対し、地位確認などの[[形成訴訟]]でいくら主文で命じても強制的に国家が実現することは不可能であり、実質的には実現できない場合もある。
国際関係:[[条約]]、[[議定書]]、[[覚書]]の名称にかかわらず、法的拘束力はあると解される。しかし、いずれも遵守しないときに国際的にこれを強制的に執行是正するための方法はない。
 
== 民事契約 ==
国際関係:[[条約]]、[[議定書]]、[[覚書]]の名称にかかわらず、法的拘束力はあると解される。しかし、いずれも遵守しないときに国際的にこれを強制的に執行是正するための方法はない。
民事契約:[[契約書]]のほうが[[覚書]]よりも法的拘束力は強いと考えられるが、口頭でも[[契約]]として拘束力はあるが争いになったときに立証が困難となるほか、契約書と覚書の書面記載事項の内容により当事者拘束の濃淡があるにすぎず、裁判上の事実立証度合いが異なって評価されるだけである。
 
民事契約:[[契約書]]のほうが[[覚書]]よりも法的拘束力は強いと考えられるが、口頭でも[[契約]]として拘束力はあるが争いになったときに立証が困難となるほか、契約書と覚書の書面記載事項の内容により当事者拘束の濃淡があるにすぎず、裁判上の事実立証度合いが異なって評価されるだけである。
 
 
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