「昇降舵」の版間の差分

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富士丸 (会話 | 投稿記録)
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[[旅客機]]などの大型機では水平尾翼後部のみが稼動するタイプが一般的だが、小型飛行機や[[戦闘機]]などでは水平尾翼全体が稼働する全遊動式(オールフライングテール/all flying tail)と呼ばれるタイプが一般的である。これはスタビライザー(水平安定板/stabilizer)とエレベーターを兼ねることから、'''スタビレーター'''('''stabilator''')とも呼ばれ、左右の舵を逆に動かすことでバンク(横転)の際に[[エルロン]]と併用されることも多い。通常の方式では音速付近で舵の効きが悪化するため、それ以上の速度で飛行する飛行機、特に戦闘機の多くはこの方式を採ることで対処している。
 
[[翼平面形#デルタ翼|デルタ翼]]機など、構造上水平尾翼のない飛行機では、主翼にエレベーターとエルロン(aileron)の機能を兼ね備えた'''[[エレボン'''('''elevon''')]](elevon)と呼ばれる動翼を有する。これは左右の動翼を同一の方向に動かすことでエレベーターとして、逆の方向に動かすことでエルロンとして機能する。[[エンテ型飛行機|カナード]]付デルタ翼機など、他の昇降舵機構を有しているタイプでも併用されている場合が多い。
 
また、一部の飛行機では[[ラダー (航空機)|ラダー]](rudder)とエレベーターの機能を兼ね備えた'''ラダーベーター'''('''ruddervator''')と呼ばれる動翼を有する。水平・垂直尾翼を兼ねるため、形状としては上半角の付いたV字型の尾翼となる。操縦性に欠ける反面、安定性が高く[[抗力]]も少ないため、[[グライダー]]などで使用されている。このような斜め尾翼は[[レーダー]]対策としても有効なため、[[F-117 (攻撃機)|F-117]]など一部の[[ステルス (軍事)|ステルス]]機でも採用されている。