「キャッシュ・フロー計算書」の版間の差分

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'''キャッシュ・フロー計算書'''(キャッシュフローけいさんしょ、'''C/S'''、cash flow statement)とはstatementStatement of cash flow)は企業会計について報告する[[財務諸表]]の1つである。このC/Sは[[会計期間]]における資金([[現金及び現金同等物]])の増減、つまり収入と支出を営業活動・投資活動・財務活動などごとに区分して表示する[[財務諸表]]である。
 
== 概要 ==
[[企業会計]]おいて、損益([[損益計算書]]で示される)は必ずしも現金等の収支と一致しなせず、[[損益計算書]]上は多額の利益があっても現金が不足すれば企業は倒産に追込まれるたとえば、銀行からの借り入れは現金の収入(増加、つまり収入となるが、損益計算における[[収益]]ではない。また、[[減価償却]]費は損益計算上は[[費用]]となるが、同一[[会計期間]]における現金支出とは一致しない。
 
キャッシュ・フロー計算書の作成目的は、損益計算書とは別の観点から企業の資金状況を開示、すなわち企業の現金創出能力と支払い能力を査定するのに役立つ情報を提供することと、利益の質を評価するのに役立つ情報を提供することにあるとされる。
 
[[アメリカ合衆国|アメリカ]]や[[イギリス]]等の欧米諸国では[[1980年代]]後半から[[1990年代]]初頭にかけてその作成が制度化された。日本においては、でも国際会計基準の国際的調和一元化の一環流れの1つとして「連結キャッシュ・フロー計算書等の作成基準」の導入に伴い、2000年3月期から作成が義務づけられた。21世紀初頭現在では、主要な先進国の企業会計制度上はにおいて、[[貸借対照表]]と[[損益計算書]]に次ぐ第3の[[財務諸表]]として位置付けられている。
 
=== 評価= ==
債券評価で確立した[[DCF法]]等の[[金融工学]]の成果を企業評価や事業評価に応用しようとする[[機関投資家]]等は、「'''[[w:en:Cash is king|Cash is king]]'''」の標語に代表されるように、企業や事業の評価を会計上の[[利益]]から現金創出力(特にいわゆる「フリー・キャッシュ・フロー('''FCF''')」)に重きを置くようになり、その前提として、キャッシュ・フロー計算書の作成を求めるようになった。ただし、近年はさらに研究が進み、企業価値評価にFCFの直接的な使用が適当であるかの評価は定まっていない{{要出典}}。
 
この表によって企業の財務状態の以下の点を評価するのに役立つ。
==資金の範囲==
*企業が将来の資金流入を生み出す能力があるか
キャッシュ・フロー計算書において、資金とは現金および現金同等物をいう。現金とは、手許現金および要求払預金(普通預金や当座預金など)をいう。また、現金同等物とは、容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資を指す。具体的には、定期預金(3ヶ月以内のもの)、譲渡性預金、[[コマーシャル・ペーパー]]などがこれに含まれる。
*企業が債務や配当金を支払う能力があるか
*利益やそれに伴う現金の受け取りや支払いの違いの理由
*企業の投資と財務の取引の現金及び現金以外の側面
 
== 資金の範囲 ==
==表示区分==
キャッシュ・フロー計算書において、資金とは現金および現金同等物をいう。現金(Cash)とは、手許現金および要求払預金(普通預金や当座預金など)をいう。また、現金同等物(Cash equivalents)とは、容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資を指す。具体的には、定期預金(3ヶ月以内のもの)、譲渡性預金、[[コマーシャル・ペーパー]]などがこれに含まれる。現金と現金同等物間での取引はC/Sには表示されない
===営業活動によるキャッシュ・フロー===
 
== 3つの表示区分 ==
=== 営業活動 ===
直接法、または間接法により作成することが選択でき、どちらの方法で作成しても結果は同じ金額となる。企業活動との関係性を明らかにするため、支払利息や支払配当金の支払額は「財務活動」に、受取利息や受取配当金の受取額は「投資活動」にそれぞれ記載することも出来る。したがって、「小計」欄が純粋な営業活動によるキャッシュフローである。
 
=== 投資活動によるキャッシュ・フロー ===
直接法により作成する。営業活動以外での資産に関わる全ての資金の動きを示す。主に固定資産の取得や資金の貸付による資金の増減、他社への資本投資に関して記載する。
 
=== 財務活動によるキャッシュ・フロー ===
直接法により作成する。営業活動以外での負債と資本の部に関わる全ての資金の動きを示す。主に借入金による調達や返済の増減や、自社の株や債権に関する発行益・配当金支払・買戻・返済などを記載する。
 
== 直接法と間接法 ==
キャッシュ・フロー計算書を作成する方法には、直接法と間接法がある。実務では間接法によることが多い。これは、特に連結での直接法キャッシュ・フロー計算書が作成困難であり、比較的に間接法によって作成することが簡便であることが理由の一つである。また、損益計算書との関連性も直接法に比べて明確である。
 
== 意義と分析 ==
キャッシュフロー計算書は、様々な情報を提供する。その内容を検討することにより、企業活動に関して以下のことが明確になる。
#キャッシュを生み出す現金創出力。