「ナイン・ソウルズ」の版間の差分

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==ストーリー==
薄暗い刑務所の13号室に、金子未散(松田龍平)が入室した。未散は10年間の引きこもりの末、弟と口論をしていた父親を殺害した。
そこには未散を含め10人の男たちがいた。室長的存在の長谷川虎吉(原田芳雄)は息子殺しで服役中。伝説の暴走族の車一馬(千原浩史)は仲間を4人殺している。生まれつきの不良で孤児院育ちの宍戸ラン(鬼丸)。AVの帝王、亀井富士夫(板尾創路)は彼女の浮気を知り、相手の男を殺した。猿渡清(KEE)は横須賀のプッシャー。医者だった白鳥ひでみ(マメ山田)は患者の申し出を断りきれず、自殺幇助の罪を被った。乾真一(鈴木卓爾)は爆弾魔で懲役15年。牛山一郎(大楽源太)はキレたら止まらない男だ。10人目の自称偽札王の山本(國村隼)は自分が通っていた富士山麓の小学校のタイムカプセルに大金を隠してあるという話を残して、精神の以上異常をきたした。
薄っすらと光の差し込む灰色の部屋で、9人が簡素な食事を取っていたとき何処からともなく鼠が入ってきた。脱走の名人の白鳥は鼠の入り口を見つけ、9人はその穴から脱走することに成功。彼らは暗闇の中を開放感と共に疾走そる。山中でヒッチハイクした赤いバンの運転手を木に縛りつけ、一馬がハンドルを握った。9つの魂を乗せたバンは、山本は話していた富士山麓の小学校にあるお宝を目指して走りだした。途中、虎吉の刑務所仲間だった中山(井上順)という男の家に寄り、家中を引っ掻き回したあげく、何事もなかったかのように立ち去っていく男たち。その後も、神社の賽銭を盗んだり、道端の小さな商店を襲ったり。女装して食堂に入るなど、その道中はいたって騒々しく流れていく。
最初はお互いに反目しあいながらも、徐々に一つの仲間になろうとしていた9人だが、未散だけは心を開くことができずにいた。途中、偶然立ち寄ったストリップ小屋で愛する人(伊東美咲)と運命的な再開を果たした白鳥は、そこに残ることを決意しバンを降りた。そして、8人となった男たちは、何とか目的地である小学校にたどり着く。校庭でタイムカプセルを開ける彼らの目は期待に膨らんでいた。しかし、出てきたものは大金ではなく、「何でも開く未来の鍵」と書かれたガラスの鍵だった。途方にくれる彼等を前に、未散はその鍵をそっとポケットにしのばせた。朝焼けの中、うっすらと姿を現す富士山を眺める8人。目的の金はなかったが、彼らの心には生まれて初めての充実感と新たな決意が生まれていた。