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蒼海牧菜 (会話 | 投稿記録)
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[[画像:Suushi_Furaribi.jpg|right|thumb|264px|ふらり火<br>佐脇嵩之『百怪図巻』より「ふらり火」]]
[[画像:SekienFuraribi.jpg|right|thumb|200px|ふらり火<br>[[鳥山石燕]]『[[画図百鬼夜行]]』より「ふらり火」]]
'''ふらり火'''(ふらりび)は、日本に伝わる火の[[妖怪]]。
 
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佐脇嵩之の『百怪図巻』や作者不詳の『化物づくし』などの妖怪絵巻に、犬のような顔をした鳥が炎に包まれた姿で描かれている。[[鳥山石燕]]の『[[画図百鬼夜行]]』による画も炎に包まれた鳥だが、こちらの顔はインド神話の[[ガルダ|迦楼羅]]を思わせる。
 
妖怪研究家・[[多田克己]]の説によれば、ふらり火は火の化身とされであり、供養をされなかった死者の霊魂が現世をさまよった末、このような姿に成り果てたともいわている。
 
[[富山県]]では明治初期まで、[[富山市]]磯部町の[[神通川]]流域の磯部堤で毎晩のようにふらり火が現れた事例がある。早百合火(さゆりび)とも呼ばれ、「早百合、早百合」と声をかけると、女の生首が髪を振り乱しながら怨めしそうに現れたという。これについては、以下のような伝承がある。
 
[[天正]]年間。富山城主の佐々木成政に早百合という妾がいた。早百合は大変美しく、成政から寵愛をうけていたため、奥女中たちから疎まれていた。あるとき、奥女中たちは早百合が成政以外の男と密通しているという噂があっを流した。根も葉もない噂であったが成政はこれを真に受け、愛憎のあまり早百合を殺し、磯部堤で木に吊り下げてバラバラに切り裂いた。さらには早百合の一族までも同罪として処刑されることになった。無実の罪で殺されることになった一族計18人は、成政を呪いつつ死んでいった。以来、毎晩のようにこの地にはふらり火が現れ、時には生首が河原に現れるようになったという。また佐々木は後に[[豊臣秀吉]]に敗れるが、これも早百合の怨霊の仕業と伝えられている
 
== 関連項目 ==
* [[日本の妖怪一覧]]
 
== 参考文献 ==
* {{Cite book|和書
* [[京極夏彦]]・[[多田克己]] 『妖怪図巻』 [[国書刊行会]]、2000年、166頁。
|author=[[京極夏彦]]・[[多田克己]]編著
* [[多田克己]] 『幻想世界の住人たち IV 日本編』 [[新紀元社]]、1990年、325頁。
|year=2000
|title=妖怪図巻
|publisher=[[国書刊行会]]
|id=ISBN 4-336-04187-3
}}
* {{Cite book|和書
|author=多田克己
|year=1990
|title=幻想世界の住人たち IV 日本編
|publisher=[[新紀元社]]
|id=ISBN 4-915-14644-8
}}
* {{Cite book|和書
|author=[[村上健司]]編著
|year=2000
|title=妖怪事典
|publisher=[[毎日新聞社]]
|id=ISBN 4-620-31428-5
}}
 
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