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{{クラシック音楽}}
[[クラシック音楽]]における'''循環形式'''（じゅんかんけいしき）とは、多楽章曲中の2つ以上の[[楽章]]で、共通の[[主題 (音楽)|主題]]、[[旋律]]、或いはその他の主題的要素を登場させることにより楽曲全体の統一を図る手法である。[[ヨハネス・ブラームス|ブラームス]]の「[[交響曲第3番 (ブラームス)|交響曲第3番]]」のように、共通主題が楽曲の始めと終わりに出現する場合や、[[エクトル・ベルリオーズ|ベルリオーズ]]の「[[幻想交響曲]]」のように、楽曲中のあらゆるパッセージで共通主題が姿形を変えながら出現する場合などがある。
==歴史的事例==
この手法は、音楽史全般を通じて随所で確認することが出来る。[[単旋律歌]]の有名な一部分が[[定旋律]]として楽曲の各章に組み込まれる、[[ルネサンス|ルネサンス期]]の[[循環ミサ]]は、多楽章形式にこの統一原理を用いた初期の例である。[[17世紀]]の器楽曲にも現れ、例えば[[ザムエル・シャイト|
主として、この用語は[[19世紀]]以降に用いられた。特に有名な例に
▲主として、この用語は[[19世紀]]以降に用いられた。特に有名な例に[[セザール・フランク]]の「交響曲ニ短調」、ベルリオーズの「幻想交響曲」、[[フランツ・リスト]]の膨大な作品群などがある。19世紀末までに循環形式は非常に一般的な構造原理となったが、その最も大きな理由に、多楽章曲の長さと複雑さの肥大化が、単なる各楽章の調性関係よりも楽曲全体の統一手段を強く必要としたことが挙げられる。
==展開と周辺==
非常に単純な断片的旋律を多用した[[ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン|ベートーヴェン]]の音楽のように、類似性が不鮮明な場合において循環形式は議論の対象になりやすい。ベートーヴェンの「[[交響曲第5番 (ベートーヴェン)|ハ短調交響曲]]」の第3楽章に出現する3連符が循環形式の一例であるかどうかに関する議論は、肯定派と否定派の両方に多数の支持者を呼んでいる。
前述の[[幻想交響曲]]の場合は、共通の主題が特定の人物を表しており、このような場合に[[エクトル・ベルリオーズ|ベルリオーズ]]は[[イデー・フィクス]]（固定楽想）と呼んだ。これが[[リヒャルト・ワーグナー|ワーグナー]]にいたって[[ライトモティーフ]]（示導動機）へと発展する。▼
現代日本でも音声を主とする媒体
▲前述の[[幻想交響曲]]の場合は、共通の主題が特定の人物を表しており、このような場合に[[エクトル・ベルリオーズ|ベルリオーズ]]は[[イデー・フィクス]]（固定楽想）と呼んだ。これが[[リヒャルト・ワーグナー]]にいたって[[ライトモティーフ]]（示導動機）へと発展する。
{{DEFAULTSORT:しゆんかんけいしき}}
▲現代日本でも音声を主とする媒体(ラジオ放送)でも頻繁に応用される。NHK第1放送の[[ラジオ深夜便]]では冒頭の伸びやかな主題が違う放送内容をはさむごとに一定の変奏を加えており、聴取者に夜間6時間弱という長時間放送を意識させている。また商業音楽でいう[[クレジットタイトル|クレジット]]もこれの応用である。
[[Category:クラシック音楽
[[Category:楽式
[[en:Cyclic form]]
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