「マクロファージ」の版間の差分

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その一方で、過剰な活性化などのマクロファージ機能の異常は、免疫システムの多くの病気に関わっている。例えば、炎症壊死を起こした組織を覆い、肉芽腫を形成する。また、アテローム性動脈硬化が進行する上でも重要である。マクロファージの役割の1つとして、血管壁にたまった変性コレステロールの処理があるが、変性コレステロールが処理しきれないほど多く存在する場合、血管壁の下に潜りこんだまま泡沫化しその場に沈着する。これがアテローム性動脈硬化の原因である。
 
また一部の[[真正細菌|病原細菌]]や[[ウイルス]]には、マクロファージによって貪食されても、その食作用を回避する機能を獲得しているものがある。細菌としては、[[リステリア]]、[[赤痢菌]]、[[サルモネラ|チフス菌]]、[[レジオネラ]]、[[結核菌]]などがその代表である。またウイルスでは、[[後天性免疫不全症候群|エイズ]]の病原体である[[ヒト免疫不全ウイルス]] (HIV) が、ヘルパーT細胞とマクロファージに感染する。マクロファージによる殺菌を免れた病原体は、その細胞内部に感染(細胞内感染)する。マクロファージ自体は強い殺菌作用を持っているが、その内部には抗体やその他の免疫による攻撃が到達しないため、病原体が感染したマクロファージは却って病原体を保存したり、全身に運んだりすることで、その病原性の発揮に関与する。例えば、チフス菌は腸管に侵入した後、腸間膜リンパ節のマクロファージに感染して血流に入り込んで、全身性の感染(菌血症)を起こす。また結核菌やHIVでは、マクロファージ内に感染した病原体は長期に亘って潜伏感染し、感染後、長時間が経過してから重篤な病状が現れる。
 
== 関連項目 ==