「驟雨 (映画)」の版間の差分

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「下町」、「庶民」という設定の説明が、間違っているので修正。
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[[岸田国士]]の[[戯曲]]『驟雨』を始め『紙風船』、『ぶらんこ』、『屋上の庭園』、『隣の花』、『犬は鎖につなぐべからず』、『かんしゃく玉』等に材をとり、前年の日本映画史に残る傑作『[[浮雲 (映画)|浮雲]]』を手掛けた[[水木洋子]]が脚本を執筆した。
 
[[1951年]]の『[[めし]]』、[[1954年]]の『[[山の音]]』に続き原節子を主演に迎え、再び「倦怠期の夫婦」というテーマに挑んだ作品で、夫役には[[佐野周二]]が選ばれている。この時期の成瀬は上質の良作を量産している円熟期で、[[小田急小田原線|小田急線]][[梅ヶ丘駅]]付近の<!---下町 ★ここは下町じゃないです。下町にピアノを習うような家庭はありません。★--->新興住宅地を舞台とした、<!---庶民的夫婦の庶民的日常 ★妻が「専業主婦」な時点で「庶民」じゃないです★--->経済的・肉体的に危機にあるサラリーマン夫婦の日常をリアルに描く手腕ここでも存分に発揮されている。また、些細な夫婦喧嘩が執拗なほど徹底的に描かれ、誰しも一度は口にするようなごく自然な言葉が放たれている。さらには、新興住宅地ならではの人間味のない町内会などの情景なども丁寧に描写され、リアリティーとユーモア溢れる会話には水木の脚本の貢献が大きい。
 
主演の[[原節子]]にとっては前二作同様の「等身大の主婦」を演じており、ここでも小津映画とは違った光彩を放っている。ただし『めし』と重複する印象が強かったのか、同時期の成瀬作品が絶好調だったためか、この作品の興行成績はさほどふるわなかったという。とは言えシリアスな夫婦の危機を描きつつも、驟雨(にわか雨)のように通り過ぎ結局「犬も食わない」能天気な結末は他の成瀬作品と比べてもユーモラスである。