「信楽高原鐵道列車衝突事故」の版間の差分

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[[1991年]]([[平成]]3年)[[5月14日]]10時35分頃、[[滋賀県]][[甲賀郡]][[信楽町]](現・[[甲賀市]])の[[信楽高原鐵道]][[信楽高原鐵道信楽線|信楽線]]、[[小野谷信号場]]~[[紫香楽宮跡駅]]間で、[[信楽駅|信楽]]発貴生川行きの上り[[普通列車]]([[信楽高原鐵道SKR200形気動車|SKR200形4両編成]])と、[[京都駅|京都]]発信楽行きの[[西日本旅客鉄道|JR西日本]]直通下り[[臨時列車|臨時]][[快速列車]]「世界陶芸祭しがらき号」([[国鉄キハ58系気動車|キハ58系3両編成]])が[[列車衝突事故|正面衝突]]。42名が死亡(JR側30名、信楽高原鐵道側12名中職員5名)、614名が重軽傷を負う大惨事となった。
 
当時、沿線の信楽町では「世界陶芸祭セラミックワールドしがらき'91」が開催されており、信楽高原鐵道は来場者輸送に追われていた。一方、衝突した臨時快速列車は乗客で超満員の状態(通常の2.5倍)であったため、人的被害が非常に大きくなった。
 
== 原因 ==
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この事故によりSKR車はSKR202と204が、JR車はキハ58 1023がそれぞれ廃車となった。このほか、信楽高原鐵道の事故車両である[[信楽高原鐵道SKR200形気動車|SKR200形]]([[富士重工業]]製の[[レールバス]]・[[LE-Car]]シリーズ)についても問題となった。同車は本来[[バス (交通機関)|バス]]向けの車体構造や部品を多数用いて大幅な価格低減および、徹底的な軽量化による燃費向上を実現した車両で、旧国鉄の赤字ローカル線を引き継いで発足した日本各地の第三セクター鉄道各社がこぞって導入していた。
 
しかし、旧世代の設計で鈍重、言い換えれば頑丈な[[国鉄キハ58系気動車|キハ58系]]と正面衝突し、原型を留めないほど無残にしたレールバスの姿は鉄道業界に大きなショックを与えた。鉄道車両(に限らないが)では衝突事故などを考慮して設計するが、それはあくまで乗用車との衝突による踏切事故のような、比較的小規模な衝突事故への考慮であり、正面衝突のような大規模な衝突事故までは想定していない。そこへ更に極端な軽量化を図ったレールバスに事故時の安全性は全く期待できなかった。もともと想定寿命も短い車両ではあったが、本事故後はより「本来の鉄道車両」に近い設計への回帰が進み、日本におけるレールバスは1990年代後半頃には大半が淘汰されるに至った(このためだけではないが、以後の新車は大半が「[[LE-Car#LE-DCシリーズ|LE-DC]]」となっている)。
 
== その他 ==