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'''個体群
== 個体群の定義 ==
個体群
個体群という言葉から、
▲個体群では、個体群内の個体は相互作用し合っているか潜在的に相互作用し得る状態にある。ここにある相互作用とは、すなわち同種個体間関係である。その例として、競争や共同、利他、捕食、寄生、(中立)が挙げられる。
個体群は、同一の[[種 (分類学)|種]]もしくはそれよりも小さい単位([[亜種]]・[[変種]])の個体により構成される。しかし、複数種がまるで同一種のように同種間と同じような関係をもつ場合があり、これを'''異種個体群'''と呼ぶ。▼
▲個体群という言葉から、個体が[[群れ]]を構成している印象を受けるが、個体群と群れは異なる。群れは、ある個体群の個体が緊密に集まった状態であり、それはその個体郡内の個体間関係の結果の一つである。ある個体群では、個体間関係により個体が単独で(互いに距離をとって)存在することもある。
▲個体群は、同一の[[種 (分類学)|種]]もしくは[[亜種]]の個体により構成される。しかし、複数種がまるで同一種のように同種間と同じような関係をもつ場合があり、これを異種個体群と呼ぶ。
個体群には、[[個体数]]、個体群密度、[[齢構成]]、出生率、死亡率、その他の属性を持っている。これらを研究するのが'''[[個体群生態学]]'''である。個体群生態学では、特に個体数の問題を中心として扱う。また、個体群は具体的な種
個体群の大きさは、個体群の'''分布域'''の大きさ
▲== 様々な特徴 ==
▲個体群には、個体数、個体群密度、[[齢構成]]、出生率、死亡率、その他の属性を持っている。これらを研究するのが'''[[個体群生態学]]'''である。個体群は具体的な種であるから、種の性質としての習性や性質を研究するものでもあり得る。その分野は、かつては個生態学とか種生態学などと言われたこともあるが、現在ではこのような言葉はあまり使わない。ただ、個体群生態学と言えば、まず個体数の問題を中心としたもの、という印象はある。
個体群の大きさは、最も大きく取れば、その種の分布域と
▲個体群の大きさは、個体群の'''分布域の大きさ'''、'''個体数'''の大きさの両方の面がある。もっとも、面積と、そこに生息可能な個体数には明らかに関係がある。個体数は、個体群の生存には重要な要素である。個々の個体のではなく、個体群の生存を考えた場合、個体数の少なさは、突発的現象による個体数激減からの絶滅の危機(たとえば[[タケ]]の大量枯死による[[ジャイアントパンダ]]の危機のように)、および[[近親交配]]による悪影響の危険が非常に大きくなる。したがって、同一面積の分布域がある場合でも、それが分断された場合には、絶滅の危機は飛躍的に大きくなる。
[[環境]]保護・種の保全問題をとらえる場合にも、重要な概念である。種の絶滅は、まず地域の個体群の消滅から始まっていくからである。環境省が作成する[[レッドリスト]]では、種(亜種・変種)単位のカテゴリーとは別に付属資料として「絶滅のおそれのある地域個体群(Threatened Local Population)」を設定している。▼
▲個体群の大きさは、最も大きく取れば、その種の分布域と考えることもできる。実際には多くの生物では、個体の移動はその分布域すべてを覆い尽くすものではなく、ある程度の範囲でまとまっていると考える方が自然である(そうでなければ地方変異などが生じるわけがないので)。したがって、そのような単位に分けて考えるのが普通である。つまり、'''種個体群'''は、いくつかの'''地域個体群'''に分かれている。個体群を取り上げて言う場合には、このことに注意すべきである。研究対象によっては、明らかにごく狭い範囲を区切ってその対象とする場合もある(ある[[キャベツ]]畑の[[モンシロチョウ]]の個体群とか)が、その場合は、より大きな個体群の中から採りだした標本と見ているものである。
なお、population の訳語として生態学では「個体群」があてられているが、この語の語義には「集団」の他に「人口、個体数」があるため文脈によっては注意が必要である。▼
▲[[環境]]保護・種の保全問題をとらえる場合にも、重要な概念である。種の絶滅は、まず地域の個体群の消滅から始まっていくからである。
== 関連項目 ==
* [[エコロジー]]▼
* [[メタ個体群]]
* [[森下正明]]▼
{{DEFAULTSORT:こたいくん}}
▲*[[エコロジー]]
▲*[[メタ個体群]]
▲*[[森下正明]]
▲population の訳語として生態学では「個体群」があてられているが、この語の語義には「集団」の他に「人口、個体数」があるため文脈によっては注意が必要である。
[[en:Population]]
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