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'''シンフォニア'''(('''Sinfonia)''')とは、[[ギリシア語]]の「[[wikt:syn-|syn-(~とともに)]]」+「[[wikt:phone|phone(音)]]」を語源とする[[イタリア語]]で、元来は漠然と[[合奏]]曲を意味する言葉である。「[[交響曲]]」(シンフォニー)と同語源であるが、[[古楽]]の分野においては、'''[[バロック音楽]]における楽曲形態'''を指す用語として用いる。
 
[[バロック音楽|バロック期]]にイタリアで始まった[[オペラ]](ただし、近代オペラとは大きく異なるバロック・オペラ)の中で、歌唱を伴わない[[器楽]]([[管弦楽]])の合奏による楽章をシンフォニアと称した。[[序曲]](前奏)としてのものが代表的だが、場面の切り替わりに奏されるような間奏も含まれる。これがのちには次第に長大化して独立し、[[古典派音楽]]に至り交響曲へと発展した。
 
イタリア・オペラの形式を取り入れた[[オラトリオ]]や[[カンタータ]]でも、同様の形式で用いられるようになった。当時オペラが普及しなかったドイツでは、カンタータ中のシンフォニアが多く作られた。[[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ]]の教会カンタータ中には秀逸な作例が多数あり、声楽の楽章に織り込んで3楽章以上のシンフォニアが挿入されているものもある。これには世俗音楽として作った曲を転用したり、その逆の転用を行ったことが確認できるものもある。
 
バッハの「[[インヴェンションとシンフォニア]]」や「[[パルティータ (バッハ)|パルティータ]]」中の楽章など、鍵盤楽器の独奏曲にもシンフォニアという言葉が用いられるが、この場合は「多声部を含む[[ポリフォニー]]」という意味である。語源が同じで、なおかつ同じバロック音楽における用語であっても、意味合いや楽曲形態としては全く異なるものである。
 
なお、交響曲を指す場合は、[[英語]]では「Symphony」、[[ドイツ語]]では「Symphonie」または「Sinfonie」の表記を用いるが、いずれも本項の意味ではそのまま「Sinfonia」を用いる。イタリア語ではその区別がない。