「原始星」の版間の差分

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'''原始星'''(げんしせい)とは、誕生初期の[[恒星]]のことで、[[暗黒星雲]]の一部が自己の[[重力]]で収縮しはじめた誕生初期の[[恒星]]。可視光でも観測できる[[おうし座T型星]]になる前の状態までを指す。
 
暗黒星雲が近くの[[超新星]]爆発などによる衝撃波を受けるとそれによって物質の濃淡ができる。濃くなった部分は重力が強くなるので、周囲の物質を引きつけさらに物質の濃度が濃くなる。するとさらに重力が強くなり加速度的に濃度が濃くなっていく。このようにして原始星が誕生する。
 
原始星には周囲からさらに物質が集積してくるので、[[降着円盤]]が形成され、原始星に取り込まれきれなかった物質は円盤に垂直な方向へ[[宇宙ジェット]]として放出される。この宇宙ジェットが周囲の星雲の物質と衝突して輝いているのが[[ハービッグ・ハロー天体]]である。
 
原始星には周囲の物質が超音速で落下していき衝撃波面が形成されている。その面で落下物質の運動エネルギーが一気に熱に変わっている。そのため、原始星は[[主系列星]]よりも非常に明るく輝いている。この時は原始星はまだ周囲を暗黒星雲に覆われているため、星雲の外からは可視光では観測できず[[赤外線]]だけが観測される。この状態はそれを理論的に導出した日本の天文学者[[林忠四郎]]にちなんで'''[[林トラック|林フェイズ]]'''と呼ばれる。
 
原始星は自己の重力でゆっくりと収縮していき、その際の重力エネルギーの解放で徐々に中心核の温度を上げていく。また[[恒星風]]により周囲の暗黒星雲を吹き飛ばす。こうして可視光でも観測可能になった星がおうし座T型星である。さらに中心核の温度が上昇し、水素の核融合反応が開始されると主系列星となる。