「ウィリアム・ゴドウィン」の版間の差分

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== 思想 ==
カルヴァン派の牧師であった経歴はゴドウィンを理解する場合重要である。神は理性であり、予定説は決定論、神の摂理は因果関係、神の王国が倫理的共産主義である。外的世界の印象が、人間の心を善くも悪くもする。しかし権力と暴力に基づいた政府は、正義や幸福に反するすべての制度を温存させ、理性の働きを阻害する。このような政府は、罪悪であり反自然である。
 
このような前提により、ゴドウィンは政府のない社会・富の平等な分配を要求する。しかし、その手段としては理性と説得により社会の成員の合理的な同意を得ることしか提示せず、「貧困」の問題については何らの重要性もおいていない。食糧や財よりも、個人の知性・道徳を進歩させるための「余暇」を真の富だと、ゴドウィンは考えていた。この抽象的な経済観念に対し、経済学者[[トマス・ロバート・マルサス|マルサス]]が『人口論』を書いて、富の平等な分配が不可能であると論じたことは有名である。