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'''ラモラック'''(Sir Lamorak)は[[アーサー王伝説]]に登場する[[円卓の騎士]]の一人。[[ペリノア王]]の息子であり、兄弟に[[トー (アーサー王伝説)|トー]]卿、[[アグロヴァル]]卿、[[パーシヴァル]]卿がいる。[[トマス・マロリー|マロリー]]版では非常に武勇優れた人物であり、[[ランスロット]]卿、[[トリスタン]]卿と並び称される最強の騎士の一人である。
 
初期はトリスタン卿とは仲が悪かった。というのも、ある槍試合のさい、すでに何十人もの相手と戦い疲労していたラモラック卿と戦うのは[[騎士道]]に反すると考えたトリスタン卿が、ラモラック卿との対戦を拒否したためである。これを自身に対する侮辱と考えたラモラック卿はトリスタン卿の愛するイゾルデ王妃の不貞を暴くため、「不貞をしている者が飲むと飲み物がこぼれる魔法の杯」を[[アイルランド]]に送りつけ、トリスタン卿の怒りに触れる。しかし、トリスタン卿と戦ううちにお互いの武芸に感心し、以後は友人となる。なお、また槍試合ですでに疲労していたラモラック卿と戦うのを拒否したランスロット卿とも同様の諍いをおこしているが、和解後は友人となっている。
 
また、ラモラック卿は[[モルゴース]]との恋愛でも知られる。一度など、[[グィネヴィア]]王妃とモルゴースのどちらが美しいかでメレアガンス卿と決闘におよんでいる。これを仲裁に来たはずのランスロット卿も争いの原因を知ると、ランスロット卿もグィネヴィア王妃の方が美しいと主張して、ラモラック卿に決闘を挑んでしまう。結局、この争いはプリオベス卿が「自分の愛する貴婦人が一番美しいと思うのが当然でありどちらの発言も正しく、争うべきではない。仲直りして欲しい」との仲裁を受けたことで場は収まった(マロリー版9巻13章)
 
ただ、ラモラック卿がモルゴースと関係を持つことに対し、モルゴールの子である[[ガリス]]卿たちは不快と感じていた。ラモラック卿はモルゴースの夫であり、ガへリス卿・[[ガウェイン]]卿にとって父の仇であるペリノア王の息子だったからである。ついにガへリス卿は二人が同衾中に押し入り、モルゴースを殺害してしまう。このとき、武装していなかったラモラック卿を殺すのは騎士道にもとるということでラモラック卿は殺されずにすんだが、ガウェイン卿らとラモラック卿の対立は深刻化する。
 
しかし、サールースで行われた槍試合後、ガウェイン卿、アグラヴェイン卿、ガへリス卿、[[モルドレッド]]卿の四人に襲撃されてしまう。槍試合直後で疲労していたこと、四対一と不利な戦いであったこともあって、ラモラック卿はガウェイン卿らに殺されてしまうのだった。