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== 解説 ==
RCサクセション(以下、RCと略す。)の13枚目のアルバムであり、事務所独立後の第一弾アルバムである。前所属事務所との様々なトラブルから解放されたことで、突き抜けた爽快感を漂わせながらも、メンバー各人の志向が少しずつずれ始めていたのか、バンドとしての一体感が喪失されつつある雰囲気に包まれた、そこはかとない淋しさを帯びた作品となっている。
なお、RCは次のライブ盤をリリース後、約2年間の活動休止に入っている。
 
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#'''SKY PILOT / スカイ・パイロット'''
#:(作詞・作曲 - 忌野清志郎、小林和生)
#*セックスと飛行機の離着陸をダブルミーニングで歌ったきわどい歌詞だが、クリアなギターの音色や80年代的なキーボードアレンジなどにより灰汁のないサウンドに仕上がっている。曲のみ[[中森明菜]]にも提供された(歌詞は別人が書き、タイトルも「STAR PILOT」となっている。アルバム『[[D404ME]]』に収録)。
#'''僕とあの娘'''
#:(作詞・作曲 - 忌野清志郎)
#*RCが3人編成だった頃よりのレパートリー。社会からはみ出し、お互いの傷をかばい合いながら寄り添う男女の一途な愛を歌っている。「汚れた心しか あげられないと あの娘は泣いていた きれいじゃないか」という歌詞がせつなさを際立たせている。
#'''DRIVE'''
#:(作詞・作曲 - 忌野清志郎、春日博文)
#*M1と同じく性行為を連想させるダブルミーニングの曲。ブギウギ調の小気味いいリズムとギターソロが印象的
#'''GONE GONE'''
#:(作詞・作曲 - 忌野清志郎、小林和生)
#*典型的なブルースのベースラインに乗せてアドリブ的に言葉遊びの歌詞を歌う、後年の忌野の作品によく見られるようになった手法による一曲。ブラスが効果的に雰囲気を作っている
#'''横浜ベイ'''
#:(作詞・作曲 - 忌野清志郎、小林和生)
#*透明感と寂寥感が漂う曲。メロディーや曲の展開は、忌野の1stソロアルバム『レザー・シャープ』につながっていくようにも感じられ、また単にディストーションで片付けるのではなく、キラキラ感を残した仲井戸のギターサウンドは次のオリジナルアルバム『MARVY』へと受け継がれることとなる。なお、「bay」つながりと言うことか、後奏で[[オーティス・レディング]]の「(sittin' on the)Dock of the Bay」の有名な口笛のフレーズがさりげなく入れられている。
#'''海辺のワインディング・ロード'''
#:(作詞・作曲 - 忌野清志郎)
#*忌野が北陸・中国自動車道を車で旅したときに作ったという曲。これまでにな本人も語ってほどの爽やかさを感じさせとともよう、伸び伸びと歌う忌野のボーカルから、心身ともに不安がなくなり健全になった様子が伺える。自身でもこのアルバム中のベストチューンと思っていたのか、後にミニアルバム『NAUGHTY BOY』にリミックスバージョンを収録している。
#'''GLORY DAY'''
#:(作詞・作曲 - 仲井戸麗市)
#*仲井戸がボーカルをとった曲。軽快なレゲエのリズム、メロディーとは裏腹に、男女(あるいはメンバー間?)人と人の互いの心が離れていく鬱々とした状況を歌ったヘヴィな内容である。忌野が、本アルバムでいちばん印象に残っている曲としてあげている。
#'''プン・プン・プン(オコリンボ リンボ)'''
#:(作詞・作曲 - G忌麗)
#*前事務所の社長へのメッセージを暗喩した曲。
#*ケンカ中の恋人のことを歌っていると見せかけつつ、前事務所の社長へのメッセージであるかと連想させる曲。それを本アルバムで最も陽気な曲にしてしまうところにRC(あるいは忌野)のユーモアと独立にまつわる傷跡の深さを感じさせる。
#'''山のふもとで犬と暮らしている'''
#:(作詞・作曲 - 忌野清志郎)
#*映画の小品を観ているかのようなドラマチックで映像的な展開を持つ印象深い作品。アコースティックベース(指弾きおよび弓弾き)とキーボード、ブラス、ギターによるオーケストレーションにも似た演奏・アレンジの完成度の高さを見せている。歌詞や作曲の様子は忌野の私小説風エッセイ『十年ゴム消し』にも出てくることから、十数年間暖めてきた曲だと思われる。
#*後に[[矢野顕子]]が発表した「湖のふもとで猫と暮らしている」は、当曲へのアンサーソングであると言われている。
#'''LONELY NIGHT(NEVER NEVER)'''
#:(作詞・作曲 - 忌野清志郎)
#*ライブ感にあふれたRCらしいR&Rナンバー。溜まったフラストレーションを一気に解き放ち疾走するかのようにアルバムの終わりを告げる。
#'''すべてはALRIGHT(YA BABY)'''
#:(作詞・作曲 - 忌野清志郎、春日博文)
#*RCの事務所独立を記念してリリースされた一曲。華やかな門出を自ら祝い励ますような象徴的な歌詞が印象的。当初はシングル発売のみで、本アルバム([[レコード#レコードの諸形態|LP]])には収録されていなかったが、CD化された際に追加収録された。やや全体の構成の中で浮いた感があるのはそのためである。
 
※LPでは、M1-M5がトランプの表(数字)サイド、M6-M10が裏(絵柄)サイドと表記されていた。