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[[画像:Pilum light.jpg|thumb|right|100px|復元されたピルム。]]
'''ピルム''' (
== 歴史 ==
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== 構造と性能 ==
一般的なピルムは、木製の柄と鉄製の穂の合成品で、全長は
復元実験の結果、ピルムの形状は装甲貫通能力を高められるように設計されていることがわかった。穂先の形状が三角形なのは盾を貫通しやすくするためであり、穂が長細くされていたのは貫通後に目標まで到達させるためだった。重たい木製の柄は、貫通力を増すためのウェイトだった。
時代が進むにつれてピルムの穂は曲がりやすくなるように改良されていった。盾を貫通した後に曲がれば、敵はピルムの突き立った盾を放棄せざるをえなくなるからである。盾を失わせれば、ローマ兵は白兵戦を有利に進めることが出来た。また、たとえ地面に落ちたとしても、曲がったピルムは敵によって再利用される心配がなかった。このようにピルムを改良したのは[[ガイウス・マリウス]]とも
== 戦術 ==
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共和政後期から帝政初期のローマ兵は、通常二本のピルムを携行し、うち一本は射程距離を伸ばすための軽いものだった。戦闘時、ローマ兵は敵前まで接近すると、まず軽いピルムを投擲し、次に重いピルムを投擲した。これによって敵の隊列を乱し、盾を失わせた後、グラディウス(あるいはスパタ)を抜いて[[白兵戦]]に突入した。二本を投擲する時間がない場合は、ピルムで白兵戦を行うこともあったという。このため、混戦時に手元を傷つけないように、柄の部分に小さな[[ナックルガード]]を付けたピルムも存在した。また、ピルムで対処困難な場合は、後方の長槍を借りて難を凌ぐ時もあった。
== ウェゲティウスによる記述 ==
== 参考 ==▼
▲以下、[[ウェゲティウス]](Vegetius)の「[[戦術書]](De Re Militari)」より抜粋。
▲:(歩兵の)武器はスパタ(Spathae)と呼ばれた大振りの剣とセミスパタ(Semispathae)と呼ばれた小ぶりの剣、さらに盾の裏の凹面に五本の小さな投槍を格納し、これを最初の突撃時に投擲した。彼らはまた二本の投槍を持ち、大きい方の投槍は、長さ5.5フィート(約170センチメートル)の柄と、長さ9インチ(約23センチメートル)で先端部は三角形の鉄製の穂が組み合わせてあった。これはかつてはピルム(Pilum)と呼ばれていたが、現在ではスピクルム(Spiculum)として知られている。兵士はこの武器を特に習熟させられ、力と技術の備わったものが投擲すると、歩兵の盾や騎兵の皮鎧を貫くことも珍しくなかった。小さい方の投槍は、三角形の先端を持つ穂が長さ5インチ(13センチメートル)で、柄の部分は3.5フィート(100センチメートル)だった。これはかつてヴェリクルム(Verriculum)と呼ばれたが、現在ではヴェルタム(Verutum)として知られている。[http://www.pvv.ntnu.no/~madsb/home/war/vegetius/dere05.php#09]
▲なお、ウェゲティウスの記した盾に格納する投槍は、プルムバタ(Plumbatae)と呼ばれる[[ダーツ|投げ矢]]である。
== 参考
* エイドリアン・ゴールズワーシー(著)、池田裕、古畑正富(共訳)、『古代ローマ軍団大百科』、[[東洋書林]]
* エイドリアン・ゴールズワーシー(著)、遠藤利国(訳)、『図説 古代ローマの戦い』、東洋書林
* ニック・セカンダ(著)、鈴木渓(訳)、『共和制ローマの軍隊』、[[新紀元社]]
* 吉村忠典(編)『ローマ人の戦争』[[講談社]] ISBN 4-06-189302-5
<div class="references-small"><references /></div>
== 外部リンク ==
* {{en icon}} [http://www.romancoins.info/MilitaryEquipment-spear.html レギオンの兵器画像]
* {{en icon}} [http://www.pvv.ntnu.no/~madsb/home/war/vegetius/ ウェゲティウスの「戦術書」
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[[category:古代ローマの兵器
[[Category:槍|ひるむ]]▼
[[Category:
[[bg:Пилум]]
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