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[[Image:Pseudomonas aeruginosa Gram.jpg|thumb|グラム陰性の''[[緑膿菌]]''(濃い桃色の桿状構造物)]]
'''グラム陰性菌'''({{Lang-en-short|Gram-negative bacteria}})とは[[グラム染色]]の[[プロトコール]]において[[クリスタルバイオレット]]([[:en:crystal violet]])による染色が脱色される細菌の総称。<ref name=Baron>{{cite book | author = Salton MJR, Kim KS | title = Structure. ''in:'' Baron's Medical Microbiology ''(Baron S ''et al'', eds.)| edition = 4th ed. | publisher = Univ of Texas Medical Branch | year = 1996 | url = http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/bv.fcgi?rid=mmed.section.289 | isbn = 0-9631172-1-1 }}</ref> [[グラム陽性菌は脱色液の洗浄によって]]ではクリスタルバイオレットは脱色されない。グラム染色試験では[[対比染色]]([[:en:counterstain]])として通常は[[サフラニン]]([[:en:safranin]])がクリスタルバイオレットの後に加えられ、全てのグラム陰性菌赤あるいは桃色に染色する。グラム染色試験自体は[[細胞壁]]の構造の違いにより明確に細菌を2つの型に分類する有用な方法であされる。
 
グラム陰性菌の多くの種は[[病原性]]を有する。
グラム陰性菌の多くの種は病原性を有する。この病原性は通常はグラム陰性菌の細胞壁の[[リポ多糖類]]([[:en:lipopolysaccharide]])(LPSあるいは[[内毒素]]として知られる)層のある種の成分が関与する。<ref name=Baron /> ヒトではLPSは[[サイトカイン]]産生、[[免疫系]]の活性化による[[先天性免疫反応]]([[:en:innate immune response]])を引き起こす。[[炎症]]はサイトカイン産生による通常の反応であり、宿主にとって害となり得る。
 
== 特徴 ==
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グラム陰性菌は病院の集中治療室のおいて[[菌血症]]を引き起こし、二次的に髄膜炎や人工呼吸器が関与した[[肺炎]]を引き起こす''Acinetobacter baumanii''と関連がある。
 
== 治療法病原性 ==
グラム陰性菌の病原性には、[[細胞壁]]のある種の成分が関与している。<ref name=Baron />
グラム陰性菌の特徴の1つは[[外膜]]([[:en:outer membrane]])の構造である。膜の外葉は[[脂質]]部位が[[内毒素]]として機能する複雑な[[リポ多糖類]]([[:en:lipopolysaccharide]])により構成される。循環系に内毒素が侵入した場合、発熱、呼吸促拍、低血圧を引き起こす。エンドトキシンショックを引き起こすと死亡することがある。
 
グラム陰性菌の膜の外葉は[[脂質]]部位が[[内毒素]]として機能する複雑な[[リポ多糖類]]([[:en:lipopolysaccharide]]; LPS)により構成されている。
外膜は通常では細胞壁の内膜([[ペプチドグリカン]])に傷害する[[抗生物質]]、[[色素]]、[[洗剤]]から細菌を保護する。外膜は[[リソソーム]]や[[ペニシリン]]に対する抵抗性を有する。幸運なことに、[[EDTA]]を伴うリソソーム、抗生物質の[[アンピシリン]]などは病原性を持つグラム陰性菌の外膜に対抗するために発展した。[[クロラムフェニコール]]、[[ストレプトマイシン]]、[[ナリジクス酸]]も有効である。
グラム陰性菌の多くの種は病原性循環系に内毒素が侵入した場合、発熱、呼吸促拍、低血圧引き起こエンドトキシンショックを引き起の病原性は通常はグラム陰性菌の細胞壁の[[リポ多糖類]]([[:en:lipopolysaccharide]])(LPSあるいは[[内毒素]]して知られ死亡す)層のある種の成分こと関与する。<ref name=Baron /> ヒトではLPSは[[サイトカイン]]産生、[[免疫系]]の活性化による[[先天性免疫反応]]([[:en:innate immune response]])を引き起こす。[[炎症]]はサイトカイン産生による通常の反応であり、宿主にとって害となり得る。
 
== 治療法 ==
グラム陰性菌の特徴の1つである外膜は、細胞壁の内膜([[ペプチドグリカン]])に作用する[[抗生物質]]、[[色素]]、[[洗剤]]から細菌を保護している。
このためグラム陰性菌は[[リソソーム]]や[[ペニシリン]]に対する抵抗性を有する。
外膜は通常では細胞壁の内膜([[ペプチドグリカン]])に傷害する[[抗生物質]]、[[色素]]、[[洗剤]]から細菌を保護する。外膜は[[リソソーム]]や[[ペニシリン]]に対する抵抗性を有する。幸運なことに一方、[[EDTA]]を伴うリソソーム、抗生物質の[[アンピシリン]]などは病原性を持つグラム陰性菌の外膜に対抗するために発展した。[[クロラムフェニコール]]、[[ストレプトマイシン]]、[[ナリジクス酸]]も有効である。
 
== 関連項目 ==