「色」の版間の差分

 
==== バーリンとケイの基本色名 ====
しかし或る色がどの基本色名で呼ばれるかは文化によって大きく異なる。例えば、英語の「yellow」は「ochre」([[黄土色]]、或いは[[茶色]]に近い色)を含んでおり、日本語の「[[黄色|黄]]」よりも範囲が広い。又、[[漢字文化圏]](古代[[中国]]、[[朝鮮半島]]、[[日本]]、[[ヴェトナム]])や[[マヤ文明]]は、「green」と「blue」を区別せず、漢字の「[[青]]」は「green」と呼ぶ「blue」の両義を持つ
 
このようなことを最初に研究したのは文化人類学者の[[バーリン]]と[[ケイ]]であり、二人は 98 種の言語を比較し、[[言語]]によって基本色の数は異なること、基本色が対応する色の範囲が異なること、言語の進化によって次第に基本色が[[分化]]し増えてゆくことなどを見出した。また心理学者エレナは、基本色名に対応する色の中でも、その''焦点''となる色(例えば、「の中で最も『』らしい色」)は文化にらず共通する原型色が存在する事実を突き止めた。焦点の存在は[[ヒト]]の色の[[認識]]機能に関わる先天的な要因であり、基本色名に対応する色範囲の違いは[[文化]]など後天的な要因であると考えられる。
 
バーリンらによると、最も基本色名が少ないのは二色であり、「[[白]]」「[[黒]]」である。そのような文化における言語に依る色の区分においては、全ての色は白いか黒いかにのみよる。次いで第三に「[[赤|紅]]」が加わり、第四に「[[緑]]」が加わる。その後の過程は言語によって異なるが、白・黒・[[茶色|栗]]・・[[オレンジ色|橙]]・[[黄色|黄]]・緑・[[青|藍]]・[[紫]]の 9 種類の色が共通して基本色名に表れるとされる。なおこの 9 つの色は中国では「[[九色]]」と呼ばれ、特別な意味付けがされている。また、この 9 色から白・黒・栗を除いた[[六色]]は、[[虹]]の色でもあるが、文化によって虹を何色とするかは異なる(→[[虹]])。ロシア語の基本色名は最も数が多く、12 色である。これは暗青 ''синий'' と水色 ''голубой'' を区別するためである。
 
また、色名が存在する・しないことと、その色を他の色と区別できる・できないこととは関係が無い。実際に[[ドニ族]]の言語では色名が「黒(;暗い)」「白(;明るい)」しか存在しなかったが、認識実験の結果では色を識別する能力には何ら問題が無かった。但し、色名が少ないということは、普段の生活で色を細かく区別して考える必要のない文化であることの証左ではある。このように、色の認識に関しては後天的要素よりも先天的要素が上位に位置する。この、認識の可能不可能と名詞の有無の関係は「[[言語]]が[[思考]]を規定するか」という問題と密接に関わっている([[サピア・ウォーフの仮説]])
 
==== 日本語の色名とその語源 ====
匿名利用者