「時刻系」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
19行目:
==惑星運動の計算に用いられる時刻系==
[[暦表時]]・[[力学時]]・[[座標時]]は全て[[惑星]]の運動を計算するための一様な時刻を与える時刻系である。
*'''[[暦表時]]'''('''ET''')は暦表秒、すなわち[[回帰年]]のある整数分の1で定義された秒に基づく時刻系で現在は使われない。暦表秒は[[1956年]]から[[1967年]]まで[[国際単位系|SI]]秒の基準であった。暦表時は[[1984年]]に廃止された。地球表面での用途についてはETは地球力学時(TDT)で置き換えられ、TDTはその後地球時(TT)として再定義された。[[天体暦]]の計算用途には、ET 太陽系力学時(TDB)で置き換えられた。しかしTDBの定義では不足があったため[[太陽系]]全体での用途については太陽系座標時(TCB)で、また地球近傍での用途には地球座標時(TCG)で再度置き換えられている。実際には天体暦の計算はT<sub>eph</sub>と呼ばれるTCBと線形的に関係する時刻が使われているが、これは公式には定義されていない。
*'''[[地球力学時]]'''('''TDT''')は暦表時に代わる時刻系で、暦表時との連続性を維持していた。TDTは一様に進む原子時に基づく時間間隔を持ち、SI秒を単位とした。TDTはTAIと結び付いていたがTAIの原点の定義には若干任意性があったため、TDTはTAIと32.184秒という定数秒だけずれを持たせていた。このずれによって暦表時との連続性が保たれた。地球力学時は現在は地球時として再定義されている。
*'''[[太陽系力学時]]'''('''TDB''')はTDTと同様の時刻系だが、原点を太陽系重心に移すための相対論的補正を含んでいる。TDBはTTに対して周期的項のみ異なっている。この差は最大でも10ミリ秒程度で、多くの用途では無視できる。[[1991年]]に、時空座標の間の関係を明確にするために異なる[[座標系]]に基づく新たな時刻系が導入された。地球時は地球表面での時刻である。地心座標時は地球中心での座標時である。太陽系座標時は太陽系の重心での座標時である。太陽系力学時は太陽系重心での力学時である。