「魔法円」の版間の差分

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[[画像:The Red Magic Circle.gif|frames|240px|right|thumb|魔法円の例]]
 
円の中には[[五芒星]]、[[六芒星]]、[[ヘブライ文字]]、[[ラテン文字]]、[[ギリシア文字]]、まれに[[ルーン文字]]などのさまざまな図形、記号、文字が描かれている。二重の円で構成され、ふたつの円の間の帯状のスペースに神の御名や天使名が記され、内側に六芒星などの魔術的シンボルが配され、円の周囲に4本の[[ろうそく]]が立てられる、といったものが典型的な魔法円の一例である。伝統的には直径9[[フィート]]とされ(実際には状況に応じて大きさは異なる)、[[チョーク]]などで描かれる。[[ウッチクラフト]]ではアセイミーという黒柄のナイフで描く。また、紐で輪を作る、魔法円を描いた敷物を用意して広げる、などの方法もある。
 
なお、魔法円の別称として[[魔法陣]]という言葉も使われているが、この言葉は、現代日本の[[フィクション]]の[[小説]]・[[アニメ]]・[[ゲーム]]などの架空の魔術でみられる、魔法円を模した[[ガジェット]]の一般名称としても使われている。それらのフィクション作品に登場する魔法陣は、それぞれの作中世界において独自の設定や装飾的役割を与えられていることが多く、必ずしも西洋の魔術伝統における実際の魔法円をそのまま踏襲したものではない。
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古典的な儀式魔術を記した古くからの[[グリモワール]]に各種魔法円の記載がみられるが、これらは主として、[[悪魔|悪霊]]を呼び出す際、悪霊から術者の身を護るための防護円であり、円の外に一歩も踏み出してはならないとされた。[[近代西洋儀式魔術]]でも、神々など上位の超越的存在を招き入れる[[召喚魔術#召喚魔術|召喚作業]]や、悪魔や精霊など下位の霊的存在を円の外に呼び出す[[召喚魔術#喚起魔術|喚起作業]]において、魔術作業の場となる[[聖域]]を定義する物質的基盤として、また、魔術作業にとって邪魔な外部の霊的諸力を遮断する[[結界]]として、魔法円が作られることがある。[[アレイスター・クロウリー]]はこう述べている。
 
<blockquote>
:The Magician works in a ''Temple''; ... In this temple a ''Circle'' is drawn upon the floor for the limitation of his working. This circle is protected by divine names, the influences on which he relies to keep out hostile thoughts.<ref>Crowley, Aleister. ''Book Four'', Part II - Magick, Preliminary Remarks</ref>
:魔術師は「神殿」 (<small>訳注:儀式、儀式を行う部屋</small>) の中で作業する。(中略) この神殿内に、魔術師の作業領域を区切るために床に「円環」が描かれる。この円環は、敵対的な想念 (<small>訳注:魔術作業の妨げになる) 想念、すなわち雑念・妄念と解釈できる</small>) を締め出すために魔術師が頼みとするところの威光としての、神聖なる名前によって護られている<ref>Crowley, Aleister. ''Book Four'', Part II - Magick, Preliminary Remarks</ref>
 
</blockquote>
:魔術師は「神殿」 (儀式の場) の中で作業する。(中略) この神殿内に、魔術師の作業領域を区切るために床に「円環」が描かれる。この円環は、敵対的な (魔術作業の妨げになる) 想念を締め出すために魔術師が頼みとするところの威光としての、神聖なる名前によって護られている。
 
しかしながら、魔術儀式の前段に行うのが通例となっている五芒星追儺儀式(ついなぎしき)によって想像上のアストラル的な円環が形成される<ref>Orpheus, Rodney. ''Abrahadabra - Understanding Aleister Crowley's Thelemic Magick''. Weiser. 2005. ISBN 1578633265. p91</ref>ということもあり、物理的に魔法円を描くことは必須ではないという意見もある<ref>Kraig, Donald Michael. ''Modern Magick''. 2nd Ed. Llewellyn. 1998. ISBN 0875423248. p382-384</ref>。
 
==ウッチクラフトにおける魔法円==
現代の魔女宗([[ウッチクラフト]]、[[ウッカ]])では、基本的に魔法円の中で儀式が行われる<ref>鏡リュウジ『ウッチクラフト(魔女術) -都市魔術の誕生-』柏書房、{{和暦|1994}}、ISBN 4760107258、p60</ref>。魔法円を設定する際には円を浄化・[[聖別]]して四方の守護者を勧請する。魔女宗においては、魔法円の外に邪悪な力を呼び出し、これに対して身を護る、といった発想は見られない。
 
== 脚注 ==
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*Orpheus, Rodney. ''Abrahadabra - Understanding Aleister Crowley's Thelemic Magick''. Weiser. 2005. ISBN 1578633265
*青狼団『魔導書ソロモン王の鍵』二見書房、{{和暦|1991}}、ISBN 4576911570
*鏡リュウジ『ウッチクラフト(魔女術) -都市魔術の誕生-』柏書房、{{和暦|1994}}、ISBN 4760107258
:(現行の版は『鏡リュウジの魔女入門』柏書房、{{和暦|2003}}、ISBN 4760124144)
*ドリーン・ヴァリアンテ『魔女の聖典』秋端勉訳、国書刊行会、{{和暦|1995}}、ISBN 4336036667