「ビデオCD」の版間の差分

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'''ビデオCD'''('''VCD''')は、[[CD-ROM]]に動画や音声などを記録し、対応機器で再生するための規格であり、DVDがまだ登場していない1993年に、カラオケ業界や映画販売業界などからの動画をCDに記録したいという需要に答えるため、ビクターやソニーなどによって策定された
 
== 概要 ==
ビデオCDの映像は「[[VHS]](ノーマルVHS)の3倍モードと同程度の画質」とされるが、VHSの[[アナログ]]形式と異なり[[デジタル]]形式で格納されているため、画像の劣化がVHSよりも極端に少ない、という特徴を持つ。特に、[[ジッター]]と呼ばれる映像の横揺れはほとんどなく、アナログビデオ特有の色むらなども少ない。プレーヤーとテレビを[[S端子]]や[[D端子]]などで接続すれば、スッキリとした映像で再生可能という特徴があるが、[[ビット毎秒|ビットレート]]が低いため、映像によっては、[[ブロックノイズ]]が多発する場合もある。
[[DVD]]がまだ登場していない[[1993年]]に、[[カラオケ]]業界や[[映画]]販売業界などからの「動画をCDに記録したい」という需要に答えるため、[[ビクター]]や[[ソニー]]などによって策定された。
 
ビデオCDの映像画質は「[[VHS]](ノーマルVHS)の3倍モードと同程度の画質」とされるが、VHSの[[アナログ]]形式と異なり[[デジタル]]形式で格納されているため、画像の劣化がVHSよりも極端に少ない、という特徴を持つ。特に、[[ジッター]]と呼ばれる映像の横揺れはほとんどなく、アナログビデオ特有の色むらなども少ない。プレーヤーとテレビを[[S端子]]や[[D端子]]などで接続すれば、スッキリとした映像で再生可能という特徴があるが、[[ビット毎秒|ビットレート]]が低いため、映像によっては、[[ブロックノイズ]]が多発する場合もある。
DVDが普及する過程で、より安価に製造できる点が[[香港]]や[[フィリピン]]などの[[アジア]]地域で重宝され「DVDより安くVHSより高品質なメディア」として普及した。手軽に製造できるため[[ブートレグ|海賊版]]が[[ハリウッド]]等から問題視される事もある。<!--(DVDが普及した現在では、DVDの海賊版も多い。)-->現在も同ディスクにはコピーガードおよびリージョンコードは導入されていない。
 
DVDが普及する過程で、より安価に製造できる点が[[香港]]や[[フィリピン]]などの[[アジア]]地域で重宝され「DVDより安くVHSより高品質なメディア」として普及した。しかし、手軽に製造できるため為に[[ブートレグ|海賊版]]の存在が[[ハリウッド]]等から問題視される事もある。<!--(DVDが普及した現在では、DVDの海賊版も多い。)-->現在も同ディスクには[[コピーガード]]および[[リージョンコード]]は導入されていない。
旧来の一般的な[[DVDプレーヤー]]には、ビデオCDの再生に対応しているものが多かったが、[[2000年]]半ば以降は記録型DVDや、[[MPEG-4]]フォーマットの普及に伴い対応機器の数は減っている。[[2007年]]現在で広く普及している[[DVDレコーダー]]や[[Blu-ray Disc|BDレコーダー]]など、録画機能付き機器でその傾向にある。
 
旧来の一般的な[[DVDプレーヤー]]には、ビデオCDの再生に対応しているものが多かったが、[[2000年]]半ば以降は記録型DVDや、[[MPEG-4]]フォーマットの普及に伴い対応機器の数は減っている。[[20072008年]]現在で広く普及している[[DVDレコーダー]]や[[Blu-ray Disc|BDレコーダー]]など、録画機能付き機器でその傾向にある。
 
== 規格 ==
ビデオCDに収録される形式は標準化されている。映像の解像度は[[NTSC]]では352×240[[ピクセル]]、[[PAL]]では352×288ピクセルとなっており、通常の[[テレビ受像機|テレビ]]画面と比較した場合、約4分の1の画素数である。再生の際に少ない[[画素]]を演算処理で[[映像のコンバート#アップコンバート|補完]]する事により、テレビ画面では[[NTSC]]の場合では720×480ピクセル、[[PAL]]では720×576ピクセルで出力される。また、[[SECAM]]でも画素が補完される。映像の圧縮形式は[[MPEG-1]]で、1秒当たり1150kbit(キロ[[ビット]])、オーディオの圧縮形式は[[MPEG-1]] Layer 2で、1秒当たり224kbitが割り当てられている。
 
ビデオCDではシステムストリームがCD-ROMフォーマットに準拠して記録されるが、セクタ長が2048byteであるモード1ではなく、誤り訂正能力が落ちる反面ビットレートや容量を大きく確保できるモード2フォーム1(CD-ROM XAフォーマット)が採用されており、[[ビット毎秒|ビットレート]]はオーディオCDとほぼ等しい。そのため、容量が650MB([[メガバイト]])のコンパクトディスクにはオーディオCDと同じ長さである74分の映像が収録できる計算となる。
 
Version 2.0では簡易メニュー機能(プレイバックコントロール)を持たせ、高精細な静止画の再生もできるようになっている。
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本規格を改良し、映像を[[MPEG-2]]に対応させ、より圧縮率の高めた[[スーパービデオCD]](SVCD)も存在するほか、[[KVCD]]と呼ばれるものも存在する。これらは通常のビデオCDの録画時間を上回る120分以上もの映像を、DVDに近い品質でCDに収録する技術であり、NTSC・PALいずれにも対応している。また、圧縮率を高めることにより、ビデオCDと同程度の画質で6時間以上の映像を収録することもできる。これらの形式は正式に標準化はされていないものの、[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]のCD-ROMドライブでの再生に対応しており、いくつかのDVDプレイヤーでの再生にも対応している。
 
そのほかにも[[中華人民共和国|中国]]だけに見られで普及している形式として[[DVCD]]や[[ダブルビデオCD]]も存在する。
 
== 関連項目 ==