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{{クラシック音楽}}
[[西洋音楽]]において、'''楽章'''(がくしょう)とは[[曲]]をいくつかに分けたそれぞれの部分を指す。
伝統的な西洋音楽において、ひとつの楽曲の中がさらにいくつかに分かれていて、それらがあたかも別の楽曲であるかのようにある程度の独立性を持っているとき、それらを'''楽章'''と呼ぶ。最初の楽章から「第1楽章」−「第2楽章」−...のように呼ぶ。また最後の楽章を特に「終楽章」「フィナーレ」と呼ぶことがある。
 
通常、楽章の間は短い時間が空けられて演奏される。楽章間に小休止を設けず、続けて次の楽章に入ることを[[アタッカ]]という。きわめて異例のことではあるが、楽章間にかなり長い時間をとるように指定していることもある。(マーラーの[[交響曲第2番 (マーラー)|交響曲第2番]]など)
 
通例として楽章を持つ楽曲は、[[交響曲]]、[[協奏曲]]、[[ソナタ]]、[[弦楽四重奏曲]]などである。
==楽章の構成==
楽章の数は、34が基本であり、交響曲では4楽章が多く、協奏曲では3楽章がほとんどである。
===バロック時代===
[[バロック音楽|バロック時代]]には、緩−急−緩−急のような楽章の組み合わせが見られた。
*第一楽章:緩
*第二楽章:急
*第三楽章:緩
*第四楽章:急
 
===古典派以降===
楽章の数は、3か4が基本であり、交響曲では4楽章が多く、協奏曲では3楽章がほとんどである。
バロック時代には、緩−急−緩−急のような[[古典派音章の組み合わせが見られた。|古典派]]以降の作品では、4楽章のものでは急−緩−舞曲−急、3楽章のものでは急−緩−急の組み合わせが多い。
====4楽章のもの====
*第一楽章:急
*第二楽章:緩(緩徐楽章と呼ぶことが多い)
*第三楽章:舞曲([[メヌエット]]、または[[スケルツォ]]が多い)
*第四楽章:急
交響曲はこの形式のものが基本である。[[交響曲第9番 (ベートーヴェン)|第九]]以降は、緩徐楽章と舞曲の楽章の順が逆になる例も多くなった。弦楽四重奏曲もこの形式が基本である。
====3楽章のもの====
*第一楽章:急
*第二楽章:緩
*第三楽章:急
協奏曲、ソナタなどによく見られる形式である。
 
===ロマン派以降===
バロック時代には、緩−急−緩−急のような楽章の組み合わせが見られた。古典派以降の作品では、4楽章のものでは急−緩−舞曲−急、3楽章のものでは急−緩−急の組み合わせが多い。
ロマン派以降では、上記に加えてさまざまな形式が現れるようになった。
 
====1楽章のもの====
古典派までの作品では、楽章間に共通性が見られないため、それらの各楽章が1つの楽曲を作るまとまりに欠けていたが、それを克服するため、ロマン派以降では、メロディーに共通性を持たせた楽章が現れるようになる。
楽章がひとつしかない例もある。また、すべての楽章がアタッカでつながっていて、全体でひとつの楽章を構成するかのような楽曲もある。(シューマンの[[交響曲第4番 (シューマン)|交響曲第4番]]など。)
====きわめて多数の楽章からなるもの====
5楽章、6楽章からなる作品も古典派以前にいくつか見られたが、ロマン派以降ではそれが一般化してくる。
====曲としての統一性====
古典派までの作品では楽章間に共通性が見られないため、それらの各楽章1つの楽曲を作るまとまりには統一性に欠けていたが、それを克服するため、ロマン派以降では異なる楽章間にメロディーに共通性を持たせ章が現れ曲としての統一性を図るようになる。曲としての統一性、という概念に大きく貢献した作品としては、ベートーヴェンの諸作品(とりわけ[[交響曲第5番 (ベートーヴェン)|交響曲第5番]])、ベルリオーズの[[幻想交響曲]]、フランクの[[交響曲 (フランク)|交響曲]]などがある。
 
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なお、[[組曲]]や、[[オペラ]]、[[バレエ]]ほか[[劇付随音楽]]の場合には、楽章と呼ばない。
 
[[Category:楽式|かくしよう]]
 
 
[[da:Sætning]]