「核膜孔」の版間の差分

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開口部の直径は10 nmで、[[イオン]]や分子量10 kDa以下の[[分子]]は濃度に依存して[[拡散]]する。40 kDaまでの分子は細胞内のカルシウム濃度による制御も受けるが拡散によって移動できる。分子量60 kDa以上の分子は拡散によって受動的にこの穴を通り抜けることはできない。
一方、[[アデノシン三リン酸|ATP]]を使用するエネルギー依存性の輸送系では、約3 MDaという桁違いに大きいサイズの60S [[リボソーム]]前駆体やさらに巨大な[[mRNP]]が通り抜けることができる。出芽酵母では毎分2000個のリボソームが合成されるとすると ([http://mcb.asm.org/cgi/content/full/23/5/1602#BDY Meskauskas et al., 2003] 経由[http://dx.doi.org/10.1016/S0968-0004(99)01460-7 Warner 1999])、一つの核膜孔は一分間に最低20個の60Sサブユニットを核外へと輸送していると予想される。もちろんこの他に40Sリボソーマルサブユニットや多数の核蛋白質、[[tRNA]]などが輸送されており、一分間に数千の分子が一つの核膜孔を通過するという見積もりもある。
 
輸送過程ではインポーティンやエクスポーティンなどの輸送因子が関わることが明らかとなってきた。これらは荷物となる分子に存在する[[核移行シグナル]]や[[核外輸送シグナル]]を認識結合する一方、核膜孔複合体とも作用し、様々な分子のアダブターとして働いている。