「総大司教」の版間の差分

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en:Patriarch22:10, 24 September 2008の版より総大司教の一覧を訳して加筆。他、段落整理・補筆。
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'''総大司教'''とは、[[カトリック教会]]において、最高の[[裁治権]]をもつ[[司教|司教職]]。
 
原語であるギリシャ語"{{lang|el|πατριαρχής}}"(パトリアルケース<ref>ローマ・カトリック教会に係る記事であるため、西方教会で一般的に用いられる古典ギリシャ語再建音による転写を用いた。現代ギリシャ語では「パトリアルヒス」となる。</ref>、英語:Patriarch)は[[正教会]]では[[総主教]]と訳されるが、正教会の総主教は各国の正教会の首長であり聖職者の最高位であるため、その権限は西方の総大司教とは大きく異なることに注意が必要である(「正教会の総主教」の段落で後述)。
 
ラテン語では patriarcha、ギリシャ語では {{lang|el|πατριαρχής}} という。この語は[[旧約聖書]]の[[七十人訳聖書|七十人訳]]において、[[族長時代]]の族長のことを指していた。
 
==概要==
総大司教の持つ権利は、総大司教区の教会会議を召集すること、
[[東西教会の分裂]]まで西欧のキリスト教世界に存在していた{{lang|el|πατριαρχής}}(パトリアルケース)は[[ローマ教皇]]のみであったが、時代を経て[[西方教会]]にも多くの総大司教座が設置されていった。総大司教の持つ権限は、総大司教区の[[教会会議]]を召集すること、[[首都大司教]]や[[大司教]]の選出および[[叙階]]などで、[[枢機卿]]よりも下位と定めている。現在、西方ラテン教会では、[[ローマ教皇]]以外には名義総大司教のみで、エルサレム、ヴェネツィア、リズボン、西インド(空位)、東インド(ゴア)が認められている。
 
===ラテン典礼総大司教===
*ラテン・エルサレム総大司教(The Latin Patriarch of Jerusalem)
*東インド総大司教(The Patriarch of the East Indies a titular patriarchal see, united to Goa and Daman)
*リスボン総大司教(The Patriarch of Lisbon)
*ヴェネチア総大司教(The Patriarch of Venice)
 
===[[東方典礼カトリック教会]]総大司教===
*コプト・カトリック教会総大司教(The Coptic Catholic Patriarch of Alexandria and head of the Coptic Catholic Church、[[コプト正教会]]の総主教とは別)
*シリア・カトリック教会総大司教(The Syrian Catholic Patriarch of Antioch and the head of the Syrian Catholic Church、[[シリア正教会]]の総主教とは別)
*メルキト・ギリシャ・カトリック教会総大司教(The Melkite Greek Catholic Patriarch of Antioch and the head of the Melkite Greek Catholic Church)
*[[マロン派]]教会総大司教(The Maronite Patriarch of Antioch, head of the Maronite Church)
*バビロニア・カルケドン・カトリック教会総大司教(The Chaldean Catholic Patriarch of Babylon and the head of the Chaldean Catholic Church)
*アルメニア・カトリック教会総大司教(The Armenian Catholic Patriarch of Cilicia and the head of the Armenian Catholic Church)
 
===歴史上存在した総大司教===
*ラテン・アンティオキア総大司教(The Latin Patriarch of Antioch)
*ラテン・アレクサンドリア総大司教(The Latin Patriarch of Alexandria)
*[[アクイレイア]]総大司教(The Patriarch of Aquileia)
*ラテン・カルタゴ総大司教(The Latin Patriarch of Carthage)
*ラテン・コンスタンティノポリス総大司教(The Latin Patriarch of Constantinople)
*グラド総大司教(The Patriarch of Grado)
*西インド総大司教(The Patriarch of the West Indies a titular patriarchal see, vacant since 1963)
 
==正教会の総主教==
{{Main|総主教}}
[[正教会]]では'''[[総主教]]'''と呼ぶが、正教会における「[[総主教]]」は西方教会におけるローマ教皇に相当する(もともとローマ教皇は「ローマ総主教」であった)、各国の正教会の首長であり聖職者の最高位である。従って、その権限は西方の総大司教とは全く別のものである。こうした事情を踏まえ、西方教会でも、正教会に属する[[コンスタンディヌーポリ総主教庁|コンスタンディヌーポリ]]、[[アレクサンドリア総主教庁|アレクサンドリア]]、[[アンティオキア総主教庁|アンティオケイア]]、[[エルサレム総主教庁|エルサレム]]、[[モスクワ総主教|モスクワ]]、[[ベオグラード]]、[[ブカレスト|ブクレシュティ]]、[[ソフィア (ブルガリア)|ソフィア]]、[[グルジア]]、の総主教に対しては[[第2バチカン公会議]]以降、聖下の称号を認めるなど、カトリックの教会法の中で特別な措置がされている。詳細は[[総主教]]の項を参照
 
==脚注==
<div class="references-small"><references /></div>
 
==関連項目==
[[正教会]]では'''[[総主教]]'''と呼ぶが、正教会における「[[総主教]]」は西方教会におけるローマ教皇に相当する(もともとローマ教皇は「ローマ総主教」であった)、各国の正教会の首長であり聖職者の最高位である。従って、その権限は西方の総大司教とは全く別のものである。こうした事情を踏まえ、西方教会でも、正教会に属する[[コンスタンディヌーポリ総主教庁|コンスタンディヌーポリ]]、[[アレクサンドリア総主教庁|アレクサンドリア]]、[[アンティオキア総主教庁|アンティオケイア]]、[[エルサレム総主教庁|エルサレム]]、[[モスクワ総主教|モスクワ]]、[[ベオグラード]]、[[ブカレスト|ブクレシュティ]]、[[ソフィア (ブルガリア)|ソフィア]]、[[グルジア]]、の総主教に対しては[[第2バチカン公会議]]以降、聖下の称号を認めるなど、カトリックの教会法の中で特別な措置がされている。詳細は[[総主教]]の項を参照。
*[[十字軍]] - 歴史上かつて存在した総大司教職には、十字軍を契機に、[[西方教会]]が[[東方教会]]の教区秩序を破壊する形で設置されたものも多い。
 
[[de:Patriarch]]