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m 塩素イオン→塩化物イオン
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'''塩化物'''(えんかぶつ、chloride)とは、[[塩素]]がそれより陽性な[[元素]]または原子団と形成する[[化合物]]である<ref>塩素よりも電気陰性度が高いのフッ素と反応した塩素化合物、例えばClFは一フッ化塩素と称し塩化物ではない。</ref>。塩素 (Cl<sub>2</sub>) は[[第18族元素]]以外のほとんど元素と反応し塩化物を形成する。
 
塩素の結合がイオン結合の場合、容易に塩素の陰イオン (Cl<sup>&minus;</sup>) を遊離するのでこのイオンは'''塩化物イオン'''(えんかぶつイオン、chloride ion)または'''化物イオン'''(えんかぶつイオン、chloride ion)ion、現在この呼び方は推奨されていない)と称する。また命名法において後置せずに前置する場合は'''塩化'''— (— chloride) と称する<ref>二分命名法の陰性要素を意味する後置辞を前置するのは日本語表記特有の言い回しである。例)塩化ナトリウム (sodium chloride)  英語表記で前置詞の場合は'''クロロ'''— (chloro—) と称するし(例:クロロ白金(IV)酸カリウム)、後置したままの場合もある。(例:酢酸クロリド、カルボン酸塩化物)</ref>。いずれも陰性の塩素原子を意味する名称である。
 
== 無機塩化物 ==
金属塩化物はたいていイオン結合性が高く(例:[[塩化ナトリウム]])水中でも単純に塩化物イオン([[アニオン]])と金属イオン([[カチオン]])とに乖離([[電離]])し水に対して溶解性が高い。ただし、1価の[[銀]]、[[銅]]、[[金]]、[[タリウム]]の塩化物および2価の[[鉛]]、[[白金]]の塩化物は水に難溶である。
 
また、高酸化数の遷移金属や非金属元素の塩化物は共有結合性が支配的であり気体または揮発性が高い固体ないしは液体である。これらの塩化物は水中では加水分解してオキソ酸と塩酸を生じる。
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=== クロロ基 ===
化合物命名法では有機塩化物が持つ Cl<sup>-</sub> は一価の官能基として取り扱われ、'''クロロ基''' (chloro group) と呼ばれる。また、いくつかの有機反応では脱離基としてはたらく。sp<sup>3</sub>炭素ないしsp<sup>2</sub>炭素に置換したクロロ基は脱離しやすく、この様な有機塩化物は[[脱離反応]]の基質として有用である。[[ウィリアムソン合成]]などの[[求核置換反応]]でも、sp<sup>3</sub>炭素上のクロロ基が脱離基となる。合成・反応については [[ハロゲン化アルキル]]、[[ハロゲン化アリール]]も参照。
 
== 関連項目 ==