「軍事ケインズ主義」の版間の差分

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*[[経済]]が[[軍需産業]]に依存するようになると[[私企業]]である軍産界に[[政府]]・軍が操られ政治の私物化につながる。
*軍事研究は民間部門の生産性向上や国富の強化に寄与するとは限らない。たとえば旧[[ソビエト連邦|ソ連]]や[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]などの国は莫大な予算を軍備に振り向けたが、どちらも経済は破綻してしまった(但し、例に挙げた旧ソ連、北朝鮮は、何れも[[社会主義国]]だということも留意すべきである)。
*軍備への投資は、市民社会や経済活動の基礎である安全保障を担保するための資本財として国富の一部を形成するが、一般には道路や港湾・鉄道整備などの公共資本投資とはことなり経済インフラを向上させる方向に機能しない(但し、インターネットやGPSなど軍事への技術投資が民生化されることで新たな市場が形成されることがある)。
*非常に高度な技術を用いる現代の軍隊ではまともに戦える兵士になるまで訓練するのに時間と費用がかかる。そのため少数精鋭主義に傾いており多数の徴兵を前提としている雇用創出の効果は限定的である。
*現実の軍事衝突を招いた場合、生命や財産が大量に失われ、国土が荒廃することで、当初期待された経済活性化の効果以上の損失をもたらす可能性がある。ある推計によるとアメリカの1940年度のGDPは9,308億ドルであったが1945年度までに国債を累積で20,850億ドルを発行しGDP16,470億ドルと急進させた。この間の貨幣所得は1.75倍(44年に1.82倍)、物価は1.33倍、実質所得は1.32倍となっている。一方、日本のGDPは1940年度に2,097億ドルであったが1945年には1,568億ドルに低下した。<!--OECD The World Economy - A Millennial Perspective-->