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==#REDIRECT [[ティザー広告の例 ==]]
'''ティザー広告'''(ティザーこうこく)とは、広義では、ある要素を顧客に明らかにしないことによって注意をひこうとする商業[[広告]]の一手法で、狭義では『本来、広告で伝えるべき商品についての要素のいくつかを意図して明らかにせず注目を集める広告手法』と定義することができる。英語の'''tease'''(じらす)から命名されており、'''ティーザー広告'''と表記されることがある(英語の発音はティザーよりティーザーが近い)。'''覆面広告'''とも言う。ウェブサイトの場合は、'''ティザーサイト'''。
 
== 概要 ==
本来、商業広告とは、広告主がある[[商品]]や[[サービス]]について、顧客が購入したり利用したりすることを促すために作成・流布させるものであるため、当然に、その商品やサービスについての名称や価格、性能、効能等を明記・明示し顧客に説明することとなる。
 
しかし、類似の商品やサービスが他にあり、また商業広告が多く作成・流布されている中では、通常の広告では顧客の注意を引かないために、より派手な[[色彩]]、[[デザイン]]、[[音楽]]等の表現を用いて工夫を凝らすことになる。その発展として「本来あるべきものがない」表現は一見して奇異な印象を残すため、顧客の注意を引きやすい。
 
そうして顧客の「いったいこれは何であろう?」という興味を喚起したうえで、ある日付以降に全てを明らかにしたり、ある操作(例えば[[封筒]]を開封、[[インターネット]]サイトでの会員登録、等)を行わせて、広告で伝えるべき要素を明らかにする。このように顧客は'''じらされる'''ことにより意識が能動的にその広告に向けられているために、広告の効果が大きくなると考えられている。
 
近年の広告手法として挿入曲を歌っている歌手を明らかにしない、ドラマ仕立てのテレビコマーシャルのように「次の広告に期待を持たせる」もの、「(このCMの)続きはネットで検索」というような異なるメディアを連動させたもの等がある。これらも'''じらす'''ことにより顧客の意識を能動的に広告に向かせる要素があるが、『'''商品について伝えることができる要素を意図して伝えない'''』という狭義のティザー広告の特徴とは異なる。
 
また、顧客に隠したいが為に価格や条件を意図して明示しない[[悪徳商法]]のような類の広告はティザー広告とは言わない。
 
最も典型的なティザー広告は『商品の姿を全て見せない広告手法』であり、シルエットや遠景などを用いて広告をし、後日の発表日に商品の全てを目にすることができる手法が一般的である。スタイリングやデザインを重視する商品に用いられる例が多い。
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== ティザー広告の例 ==
*[[1966年]]1月 [[日産・サニー]](B10型) - 車の名称を公募する新聞広告で徐々に新車のベールをはがした<ref>担当者であった日産自動車元社長の[[石原俊]]はティーザー広告の走りであったとしている。1994年11月16日 日本経済新聞</ref>。
*[[1984年]] [[アップル インコーポレイテッド|アップルコンピュータ]] [[Macintosh]] - 「AppleはMacintoshを発表します」と語るだけで、それが何であるかすら説明していない。
*[[1988年]] [[日産・セフィーロ]](A31型) - [[斉藤由貴]]や[[和田勉]]らが『くうねるあそぶ』をテーマに語り車の説明は無し<ref>発売日以降は[[井上陽水]]出演のテレビCMが開始されたが[[昭和天皇]]の病状悪化に伴い「みなさん、お元気ですか」の台詞がカットされた</ref>。
*[[1989年]]9月 映画[[バットマン (映画)|バットマン]] - 『[[12月2日]]』の日付とバットマンのマークのみの新聞広告。日本での映画公開日の意味であった。
*[[1989年]] [[富士通]] [[FM TOWNS]] - 『何かが起こる』『[[2月28日]]、パソコンが変わる』としてパソコンを見せない手法。
*1989年 [[トヨタ・セルシオ]] - [[士別テストコース]]がでてきて、最後に『この車から、新しいトヨタが走り始めます』と言ってフロントグリルのエンブレムを見せるだけで、車名は一切出てきていない。
*[[1990年]] [[ソニー]] ビデオカメラ[[ハンディカム]]TRシリーズ - [[浅野温子]]の台詞だけで商品の説明無しのテレビCM。
*[[1994年]] 日産・セフィーロ(A32型) - 『クルマ買いかえます』として商品名は無し。
*[[1998年]] [[日産・スカイライン]](R34型) - 『BMWか、メルセデスか、新しいスカイラインか。』という挑発的な[[比較広告]]が出た後、R34スカイラインにぼかしをかけた。
*[[2000年]] [[トヨタ・カローラ|トヨタ・カローラセダン]](E120系)/[[トヨタ・カローラフィールダー|カローラフィールダー]](E120G系) - 『カローラが変わった』というフレーズ以外はカローラそのものが出ていない。なお、このティザーCMには[[ビートたけし|北野武(ビートたけし)]]および多くの一般人が出演していた。
*[[2004年]] [[トヨタ・マークX]](X120系) - 「X-body」「あなたの想像は、私を超えられるか」というだけで、商品名も車体も出ていない。
*[[2005年]] [[トヨタ・bB]] - 『トヨタ、ミュージックプレーヤー発売』として車を見せない手法。
*[[2006年]] [[任天堂]] [[Wii]] - 『これは何でしょう?』と消費者に問いかけ、新しいリモコンであるということ以外の商品の説明が無い。
*[[2007年]] [[マクドナルド]] [[マックグリドル]] - 名称のみで、商品の映像が無い。
*[[2007年]] [[ユニリーバ・ジャパン|ユニリーバ]] [[AXE|AXEフレグランスボディースプレー]] - 無数の女性が大挙して一人の男性に群がっていく映像が流れ、最後に『AXE [[3月5日]]日本上陸』というテロップが出るだけで、実際の商品の画像やその説明、更にはユニリーバのCMである事すら明記されていない。 
*[[2007年]] [[docomo]] - キャンペーン名 (docomo 2.0) を前面に押し出したのみで、サービスの詳細が無い。
*[[2007年]] [[トヨタ・マークXジオ]] - セダンバージョンとほぼ同様。ただし、冒頭にセダンが登場したり「X-seater マークXから誕生」と言っている事から、マークXの派生車種である事は示唆していた。実際の車体部分は黒く塗りつぶされてる。
*[[2007年]] [[集英社]] [[ジャンプスクエア]] - 商品名のみ
*[[2008年]] [[朝日放送|ABC]]・[[東映アニメーション]] [[Yes! プリキュア5|Yes!プリキュア5Go Go!]] - 美々野くるみ/ミルキィローズについては名前とイメージのみで、声優と概要が無い。
*[[2008年]] [[スバル・エクシーガ]] - キャッチコピーのみで車両自体は登場しなかった。
*[[2008年]] [[バンダイ]] [[棒ゲ~]] - 「棒をたたせろ」[http://bohwotatasero.com]のキャッチコピーのみで商品名が出ない。
 
==ティザーサイトの例==
上述の説明に準じ、発売前の新製品に関する断片的な情報のみを公開し閲覧者の興味を引くことを意図した プロモーション用ウェブサイト。
*[[2007年]][[11月26日]] - [[スバル・フォレスター]]が3代目となるニューモデルのティザーサイトを公開
*[[2008年]][[7月7日]] - [[スクウェア・エニックス]]が[[クロノトリガー]]の[[DS]]版のティザーサイトを公開。
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== 参考文献 ==
* 嶋村和恵監修 『新しい広告』 [[電通]] 2006年 ISBN 885531837 25頁
* 『[[現代用語の基礎知識]] 1985年版』 [[自由国民社]] 300頁
 
== 脚注 ==
<references/>
 
[[Category:広告|ていさあこうこく]]