「国家政治保安部」の版間の差分

'''ゲーペーウー'''（{{lang|ru|ГПУ, Государственное Политическое Управление}}）は、旧[[ソビエト連邦]]の[[ヨシフ・スターリン|スターリン]]政権下で、反政府的な運動・思想を弾圧した[[秘密警察]]である。[[ラテン文字]]表記は Gosudarstvennoye Politicheskoye Upravlenie で、この略称 '''GPU''' で世界的に知られることになる。'''国家政治保安部'''とも呼ばれるが、'''ソヴィエト人民委員会付属国家政治局'''が正式訳名である。

GPU の前身は、[[1917年]]に設立された[[チェーカー]]である。[[1922年]]に GPU （国家政治局）とに改名された。反革命分子・反動分子・反体制派の摘発・抹殺を目的としていた。[[1924年]]にはOGPU（合同国家政治保安部または統合国家政治局（OGPU））に改組され、[[1934年]]に[[内務人民委員部]]の直轄の組織となり、[[1937年]]に全国に設置され、弾圧の対象者を拡大した。かくして[[密告]]網が各地に張り巡らされ、民衆は息苦しい生活を強いられることとなった。

スターリンは、[[レフ・トロツキー|トロツキー]]や[[セルゲイ・キーロフ|キーロフ]]などの政敵たちや党内反対派を殺すために GPU を用いた。また、GPU は圧制に抵抗する民衆や外国人を弾圧し、次々と刑場や[[強制収容所]]に送った。

GPU の廃止はスターリンの死後の[[1953年]]9月であった。しかし、GPU 関係者への処罰は手緩いものであり、残党は後に[[ソ連国家保安委員会|KGB]]として生き残った。