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経済準学士 (会話 | 投稿記録)
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上告審が法律審であるとの性格から、原則として[[証拠調べ]]を行うことはない<ref>もっとも、刑事事件について証拠の顕出という形で原判決の事実認定の当否を判断する資料に供することはできる(最高裁昭和34年8月10日大法廷判決)。また、職権調査事項については上告裁判所が事実を認定し得る(民訴法322条)。</ref>。
 
このこともあり、上告を棄却するときは、[[口頭弁論]]を経る必要はないとされており(民訴法319条、刑訴法408条)、実際に上告審で弁論が行われることはほとんどなく、書面での審理に限られるのが普通である。これに対し、原判決を変更する場合には、被上告人にも反論の機会を与える必要があるから、口頭弁論を開催する必要がある(民訴法87条1項本文、刑訴法43条1項)。そのため、上告審で口頭弁論が開かれるということは、原判決を何らかの形で見直すことを事実上意味するといえる。ただ、[[死刑]]判決に対する上告事件と[[大法廷]]の審理は原則として公判ないし口頭弁論が開かれる慣行が確立しており、公判ないし口頭弁論が開かれたからといって原判決が見直されるとは限らない。
 
なお、原判決の基本となる口頭弁論に関与していない[[裁判官]]が判決書に署名押印していることを理由として原判決を破棄し、高等裁判所に事件を差し戻す場合には、口頭弁論を開催しなくてもよいという判例がある(最高裁平成19年1月16日判決・[http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=34001&hanreiKbn=01 最高裁判例情報])。