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== 概要 ==
紀伊続風土記は、[[江戸幕府]]の命を受けた[[紀州藩]]が、[[1806年]]（[[文化 (元号)|文化]]3年）8月、藩士で儒学者の[[仁井田好古]]を総裁とし、[[仁井田長群]]・[[本居内遠]]・[[加納諸平]]・[[源伴存|畔田翠山]]らに編纂させた[[紀伊国]]の[[地誌]]である。編纂開始から3年後には紀北4郡の調査を終えたが、[[1808年]]（文化5年）から[[1811年]]（文化8年）にかけての仁井田の離任<ref name="Jinmei">家臣人名事典編纂委員会[1998: 61]</ref>により編纂が中断するなど、種々の困難に見舞われた<ref>出典：『[[南紀徳川史]]』</ref><ref name="Kokushi">国史大辞典編集委員会[1984: 4]</ref>。編纂作業は[[1831年]]（[[文政]]13年）に再開し、それから8年後の[[1839年]]（[[天保]]10年）、33年の歳月を要して完成した<ref name="Kokushi"/><ref name="Heibon">平凡社[1993: 612]</ref>。編纂にあたっては、編纂者たちが国中を余さず調査したという。
本編97巻（神社考定2巻を含む）のほか、「高野山之部」81巻、附録の古文書編17巻、全195巻からなる<ref name="Heibon"/>。内容は、第1巻から第3巻で提綱を述べた後、総論、古風土記逸文、[[紀伊国造|国造]]、[[国司]]、[[守護]]、国主、制度、神社仏寺総論、[[和歌山市|若山]]（[[和歌山城]]下町）、[[名草郡]]、[[海部郡 (和歌山県)|海部郡]]、[[那賀郡 (和歌山県)|那賀郡]]、[[伊都郡]]、[[有田郡|在田郡]]、[[日高郡 (和歌山県)|日高郡]]、[[牟婁郡]]の順に各地について記述している。各郡の記述では、郡ごとの総論から始めて、古郷名・村名を考定し、村々の各論は荘ごとにまとめて扱う。各論での記述は詳細であり、田畑石高、人口、自然地理、水利、社寺・城跡などの旧跡、時には村の創始から来歴・物産をまで説き及ぶ<ref name="Kokushi"/>。なかでも高野山之部における高野山とその寺領の記述は特に詳細である<ref name="Kokushi"/><ref name="Heibon"/>。
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