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'''アシスタント'''は、主に[[日本の漫画]]において[[漫画家]]の助手として原稿作成の補助を行う職種である。
 
==概要==
[[編集者]]や漫画家と日常的に接するため、自作品へのアドバイスが受けやすく漫画家予備軍が漫画家としてデビューするための修行の場と考えられていた。また多くの漫画家がアシスタントの経験があり、仕事に比較的余裕のある漫画家同士がお互い忙しい時に手伝う場合も多い。しかし現在では、漫画家を目指さない専業アシスタントというものも存在している
 
しかし現在では、漫画家を目指さない専業アシスタントというものも存在している。
 
==アシスタントの仕事==
作画の補助を行うのが一般的であり、背景や群衆の描写[[ベタ (漫画)|ベタ]]塗り[[スクリーントーン]]貼り枠線引き・[[消しゴム]]かけなど、工程別に分業されていることが多い。
 
一般的に、アシスタントの経歴によって任される仕事のレベルは変わる。初心者は消しゴムかけやベタ塗りなど一般人でも出来るような作業が多い。ある程度の画力があれば簡単な背景や[[モブキャラクター|モブ]](群衆)の描写を任され、プロ並みのレベルになると大きな背景や時間がない時は主要人物のペン入れを任されることもある。
 
また、チーフと言ってアシスタントの現場監督のような仕事を任されることもある。大抵はその現場に一番長く勤めていて、職場の雰囲気や漫画家の作画スピードなどをよく理解している人物である事が多い。
 
中にはストーリー作りや[[キャラクターデザイン]]・資料集めに関与したり、マネージャーやブレーン的な役割をするアシスタントも存在している。
 
逆に[[食事]]担当の「メシスタント」という冗談のような役割や、何らかの都合で作画ができない時には作画レベルが高くないアシスタントに部屋の[[掃除]][[洗濯]]、画材や食品の買い出しなど、漫画とはあまり縁のない作業をさせることある。
 
===二次作品の執筆===
アシスタントが原作の二次作品を執筆する場合もある。『[[名探偵コナン]]』の特別編([[小学館の学習雑誌|学年誌]]掲載分)や、『[[ケロロ軍曹]]』の[[4コマ漫画]]([[ケロロランド]]掲載)の一部がこれに該当する。
 
==収入==
漫画家としてデビューするまでの下積み等、一時的な修行の場と見なされていたためか高給とは言いがたく、一部を除き福利厚生もないに等しい。雑誌のアシスタント求人欄では給料が公開されることもない。
 
アシスタントの給与原資は雑誌掲載時に漫画家に支払われる原稿料のみであり、単行本による[[印税]]や[[アニメ化]]・[[映画化]]・関連グッズによる収入はアシスタントには還元されないのが一般的である。
 
J.A.C.(Japan Assistants Club)の[[ウェブサイト]]の求人[[電子掲示板|掲示板]]([[#外部リンク|外部リンク]]参照)での相場は日給8000~10000円程度であるが、大手週刊誌のアシスタントやプロアシスタントの収入は10000円以上が標準となり、12000~15000円程度にまで上がることもある。

アシスタント先によっては、経験豊富であったり作業レベルが高い者は20000円ほどの日給を受け取ることも稀にある。腕の立つ専業アシスタント(=プロアシ)ともなると、アシスタント先を掛け持ちし、月に40万以上を稼ぐ者もいるとのことである。さらに高額となると一人の漫画家に専属契約となる場合が多く、デビューしない契約をさせられることもある。この場合は年収が何千万ということ可能性もありうる。
 
==アシスタントになる方法==
最も手っ取り早いのが、漫画雑誌などに掲載されるアシスタント募集に応募するという方法である。また編集者が漫画賞への投稿者を修行のために漫画家に斡旋したり、デビュー前の漫画仲間がアシスタントになったり、漫画家同士で作画を手伝うケースも一般的である。

中には売れなくなった元漫画家がアシスタントとして後輩漫画家に雇われるといった話もあるという。
 
==勤務形態==
原稿の進行状況に合わせて漫画家の仕事場(自宅が多い)に通勤し、仕事量は漫画家の作業状況により左右されるため、出勤してもずっと待機時間などという場合もある。しかし締め切り厳守という業界の鉄則があるため、作業が集中して数日間泊り込みで不眠不休で作業しなけらばならないケース(俗に[[修羅場]]という)も多く、勤務状況は概して過酷である。

非常勤、または仕上げなどの追い込みの日のときだけ手伝いに来るアシスタント(ヘルパー)も存在する。
 
==関連項目==