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== 概要 ==
『[[第七の封印 (映画)|第七の封印]]』や後年の「神の沈黙」三部作などのように哲学的なテーマを取り扱った難解な映画が多いとされるベルイマンの作品群の中で、『夏の夜は三たび微笑む』はその明快なプロットと洗練されたユーモアでややもするとわかりやすい、通俗的な作品であると評されがちである。これは本作品の製作前にベルイマンのプロデューサーが、もし次回作が興行的に失敗したら二度と映画を作れなくなると脅しを掛けたからであると言われている。金銭的な危機のみならず、ベルイマン本人の慢性的な胃痛、女優の[[ハリエット・アンデルセン]]との破局など様々なトラブルの中で撮影された本作品であるが、完成するとスウェーデン国内で予想外の大成功を収めた<ref>ジョン・サイモン、“Midsummer Merry-Go-Round”(クライテリオン・コレクション版DVD付録の小冊子より)</ref>
 
本作品は公開当時からスウェーデン国外での評価も高く、翌[[1956年]]の[[カンヌ国際映画祭]]の[[パルム・ドール]]にノミネートされた。結局パルム・ドールの受賞は逃したものの、同年に特設された「詩的ユーモア賞」(仏語:Prix de l'humour poétique)を受賞、ベルイマンは一躍国際的な知名度を高めることになった。
 
ベルイマンは後年この作品の興行的成功で、次回作以降彼の意向に沿った映画を製作することが出来るようになったと述懐している<ref name="Bergman">イングマール・ベルイマン、“Bergman Introduction”(2003年に[[スウェーデン・テレビ]]が製作した監督へのインタビュー、クライテリオン・コレクション版DVDに収録)</ref>
 
== キャスト ==
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== ストーリー ==
ある夏の午後、著名な弁護士であるフレデリック・エーゲルマンは若妻アンと成人した息子ヘンリック、息子の思い人である女中ペトラを連れて、かつて愛人であった女優デジレ・アームフェルトの母親の別荘を訪れることになった。別荘へ向かうフレデリックに、彼の若妻アンと成人した息子ヘンリック、息子の思い人である女中ペトラも同行する
 
そこに招かれたのはエーゲルマン一家の他に現在のデジレの愛人であるマルコム伯爵、アンの友人でもある伯爵夫人シャーロッテなど一癖も二癖もある連中ばかり。いずれも現在のパートナーと上手くいっていないという共通の悩みを抱えている。
 
アンと未だに肉体関係に至らないことを思い煩うフレデリック、フレデリックと縒りを戻そうとするデジレ、デジレを独占しようとするマルコム伯爵、伯爵を愛しながらも報われないシャーロッテ、シャーロッテのことを心配するアン、ペトラに振られアンに心を動かされているヘンリック。それぞれが様々な思惑を抱きながら、長い夏の夜は更けていく。
 
== トリビア ==
*上述のようにカンヌ国際映画祭で好評を博した『夏の夜は三たび微笑む』であるが、ベルイマン本人は自分の映画が出展されたことさえ知らなかった。ベルイマンはトイレで「スウェーデンの映画がカンヌで成功を収めた」という新聞記事を読んで初めてそれが自分の作品のことであると知ったという<ref name="Bergman" />
 
*[[1973年]]に初演された[[スティーヴン・ソンドハイム]]作詞・作曲のミュージカル『[[リトル・ナイト・ミュージック]]』(原題:''[[w:A Little Night Music|A Little Night Music]]'')は、本作品にインスパイアされた作品である。
 
*[[2005年]]にはアメリカの雑誌[[TIME]]によって映画ベスト100中の1本に選ばれた<ref>TIME Magazine、“[http://www.time.com/time/2005/100movies/the_complete_list.html ALL-TIME 100 Movies]”(参照:2008年11月22日)</ref>
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}{{Reflist}}
 
 
[[category:1955年の映画]]