「五行連」の版間の差分

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==日本==
日本には、5行の詩節が連なっている長い五行連は存在しないが、5行だけの短い五行連が存在する。その短い五行連とは五行歌と五行詩の2つである。
*'''[[五行歌]]'''  -  五行歌人[[草壁焔太]]が平成6年、五行歌の会を結成し[[定型詩]]としての五行歌を提唱した時、5行の定型詩が日本に初めて誕生した。その五行歌の特徴としては、話し言葉が多く使われ、各行の音数が自由であり、規則は5行で書くことだけがあげられる。その自由な特徴は多くの日本人に広く受け入れられ、五行歌は月刊誌『五行歌』を中心に、草壁焔太の影響を受けて分岐した月刊誌「彩」、隔月誌「ハマ風」そして隔月誌「南の風」などの努力とあいまって日本全国に普及していった。その中でも五行歌の会は日本全国に100以上の支部を持ち、海外でもアメリカをはじめ、韓国、タイ、フィリピンなどに普及活動を広げ、平成20年10月には東京で第1回五行歌世界大会を開催した。また50冊以上の五行歌集が出版され、新聞紙上、雑誌誌上にも多くの五行歌投稿欄が設けられるにいたって、五行歌は名実ともに短歌、俳句、川柳と並ぶ日本の短詩型文芸の1ジャンルとして確立した。
*'''五行詩''' - 出版されている五行詩集がまだ少なく、また五行詩の専門雑誌も発行されていないが、インターネットのHP上ではいろいろな五行詩が発表されている。その共通した特徴としては5行で書かれる定型詩ということがあげられる。
このように平成の時代になってから、五行歌と五行詩の2つが5行だけの短い定型詩として日本中で広く認められるようになった。つまり五行連の半分である5行の定型詩が日本にも成立することになった。
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*'''Sicilian quintain'''(シチリア風五行連) - [[韻律 (韻文)|韻律]]は[[弱強五歩格]]、[[押韻構成]]は「a-b-a-b-a」。
*'''English quintain'''(イギリス風五行連) - 韻律は特に決まっていないが、押韻構成は「a-b-a-b-b」。
*'''Quintella''' - (スペイン風五行連) - 8音節の詩行で、2つの連続した行が押韻されてあれば、あとはさまざまなパターンで押韻してもよい。
*'''[[リメリック]]''' - イギリスに古くから伝わる五行詩であり、その内容には豊かなユーモアがあるので滑稽五行詩とも呼ばれている。第1・第2・第5行は3つの強勢(強いアクセント)の音節を含み、脚韻に押韻される。一方、第3・第4行は2つの強勢の音節を含み、脚韻に別の押韻がされる。つまり押韻構成は「a-a-b-b-a」になる。
 
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このように世界の五行連には、大きく分けて、5行の詩節が連なっている長い五行連と5行だけの短い五行連の2つがある。そしてその2つには国によっていろいろな種類がある。これが世界の五行連の現状である。
 
==参考文献==
<!--図書案内も含む-->
* 草壁焔太 『五行歌入門』([[東京堂出版]])
* 草壁焔太 『飛鳥の断崖』([[市井社]])
* Enta Kusakabe 『Gogyohka』([[市井社]])
* 黒木瞳  五行詩集『恋のちから、愛のススメ』
* ロジャー・パルバース+柴田元幸 『五行でわかる日本文学(リメリック)』
 
==脚注==