「東急7000系電車 (2代)」の版間の差分

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|社色=#ee0011
|画像=Tōkyū 7000 series (II) EMU 7101f.jpg
|画像説明=多摩川線を走る7000系(2008年5月17日、沼部~鵜の木間にて撮影)
|編成両数=3両編成4本(12両)
|起動加速度=3.3
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|備考=
}}
 
'''東急7000系電車'''(とうきゅう7000けいでんしゃ)は、[[2007年]]([[平成]]19年)[[12月25日]]に営業運転を開始した[[東京急行電鉄]]の[[通勤形電車]]。
 
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東急で7000系を名乗る系列はこれで2代目になるため、「新7000系」と呼ばれることもある。
 
[[2007年]]と[[2008年]]にそれぞれ3両編成2本(6両)が導入された。今後、[[2011年]](平成23年)度までに3両編成15本(45両)が増備され、池上・多摩川線用の在来車の一部を置き換える予定である
 
 
今後、[[2011年]](平成23年)度までに3両編成19本(57両)が増備され、池上・多摩川線用の在来車の一部を置き換える予定である。このうち2008年度は3両編成2本(6両)が導入されている。
 
5000系と同様に、主要機器の二重化を図っている。
 
5000系列や後に登場した[[東急6000系電車 (2代)|6000系]]と同様に、主要機器の二重化を図っている。
===車体===
基本的には5000系列と共通の部材を使用したステンレス製である。5000系列と異なるのは、前記したように18m級・片側3扉とされた点と、先頭車前面形状は非常用[[貫通扉]]を[[操縦席|運転室]]から見て右側にオフセット配置された流線型を採用した点である。車体のカラースキームは無塗装の外板に緑の濃淡のデザインを施しており、屋根部分に[[絶縁体]]として塗装される塗料も緑色とされた。床面の高さはレール面から1130mmであり、レール面から1100mmの[[プラットホーム]]との段差を縮減している。乗務員室の非常用[[梯子|はしご]]は操作しやすいように小型化された。
 
[[エア・コンディショナー|冷房装置]]は[[集中式冷房装置|集中式]]を各車の屋根上に1基搭載する。冷房能力は61.05kW (52500kcal/h) で、電熱ヒーターを組み込んだことで除湿や冬期の[[暖房]]も可能としている。
 
前面および側面の[[方向幕|行先表示器]]は[[発光ダイオード|LED]]式で、表示は日本語と英語の交互表示である。書体は池上・多摩川線用の車両では初めてゴシック体が採用された。なお、前面の表示器は「池上線」「多摩川線」のように路線名表示も行い、3種類の表示がされる。<!--フルカラーなのか白色なのかは発表資料に記載されていない以上記述は控えるべき-->
 
===車内===
[[Image:TKK new7000 cabin.jpg|thumb|left|250px|車内(デハ7200形)]]
本系列の客室内装は「居心地の良い空間の提供」をコンセプトとしており、カラースキームに木目調のものが採用された。これらには5000系と共通のペーパー[[ハニカム構造|ハニカム]]材に[[アルミニウム合金|アルミ]]板と高硬度アートテックや[[デコラ]]化粧板を貼り付けた複合材料を使用している。
 
[[鉄道車両の座席|座席]]はロングシートを基本とするが、中間車のデハ7200形の車端部は横2+1列配置のボックス式クロスシートが設置されている。ロングシート部の形状や材質は5000系3次車以降と共通であるが、座席表地は緑色系とされている。1人あたりの掛け幅は460mmである。クロスシートの形状は[[東急東横線|東横線]]・[[東急大井町線|大井町線]]用の[[東急9000系電車|9000系]]や[[東急世田谷線|世田谷線]]用の[[東急300系電車|300系]]とは異なり、[[東日本旅客鉄道]](JR東日本)[[JR東日本E231系#近郊タイプ|E231系近郊タイプ]]などに類似する。
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客室側窓は車端部に固定式を1枚、客用ドア間に下降式のものを2枚配している。[[窓ガラス]]は熱線吸収および[[紫外線]]・[[赤外線]]カットを図っており、5000系列と同様に巻き上げ[[カーテン]]は省略されている。
 
客用ドアは5000系6次車と同一仕様で、室内側は化粧板仕上げとされ、窓ガラスは[[結露]]防止の観点<!--ドアガラスのみ複層では騒音低減には殆ど寄与しない-->から[[複層ガラス|複層]]構造が採用されている。客用ドア開閉の際には5000系と同じ音の[[ドアチャイム]]が鳴動するほか、新たに開閉時に赤く点滅するドア動作表示ランプが取り付けられている。車内の[[インターホン|非常通報装置]]は埋め込み形として見付けの向上を図った。
 
客用ドア上部には[[VIS (鉄道システム)|TIP]]による15インチ[[液晶ディスプレイ]]を2基設置している。5000系列(5080系の一部を除く)・6000系と同一のレイアウトであり、右側の画面には通常停車駅、乗り換え案内、ドア開閉方向、駅ホーム設備案内などを表示するほか、異常時には運行情報も表示する。左側の画面には[[東急グループ]]各社のPR広告を表示するが、本系列では5000系列のように動画広告が流れないので画面上部に「[[TOQビジョン]]」ステッカーを貼付していない。なお、2次車の7103F・7104Fではカバーの形状が変更され、同時期登場の5000系7次車(5185F~5187Fを除く)と同じデザインとなった。
 
東急の多くの在来車同様[[車内放送|自動放送装置]]を搭載しているが、本系列ではアナウンサーが[[岡本洋子]]から[[西村文江]]に変更されている
 
運転室は[[ワンマン運転]]に対応した設計で、[[操縦席|運転席]]は車体中央寄りに配されている。[[プラットホーム|ホーム]]監視モニタは[[東急1000系電車|1000系]]や[[東急7700系|7700系]]などでは前面上部に設置されていたが、本系列では運転台コンソールに設置したことで前方視界の改良を図っている。運転室と客室の仕切窓は5000系列と同じ構成であるが、運転席背後の窓寸法は5000系列より縮小されている。運転席背後と仕切扉には遮光ガラスが使用されているほか、[[遮光幕]]が設置されている。
 
運転室は[[ワンマン運転]]に対応した設計で、[[操縦席|運転席]]は車体中央寄りに配されている。[[プラットホーム|ホーム]]監視モニタは[[東急1000系電車|1000系]]や[[東急7700系|7700系]]などでは前面上部に設置されていたが、本系列では運転台コンソールに設置したことで前方視界の改良を図っている。運転室と客室の仕切窓は5000系列と同じ構成であるが、運転席背後の窓寸法は5000系列より縮小されている。運転席背後と仕切扉には遮光ガラスが使用されているほか、[[遮光幕]]が設置されている。
===走行機器など===
主回路システムは[[東芝]]製低損失トレンチ[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]]による2レベル方式の[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]で、[[回生ブレーキ]]および[[純電気ブレーキ|全電気ブレーキ]]機能を有する。主回路システムと補助電源システムの[[冗長化]]を図る目的で、VVVFインバータと[[静止形インバータ]] (SIV) を一体化したデュアルモード構成とされ、1基のインバータ装置で4個の[[かご形三相誘導電動機]]を制御する1C4M方式2群とSIV1群を1ユニットとして、中間[[動力車|電動車]]のデハ7200形に搭載される。
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東急では3000系以降、電動車と[[付随車]]の構成([[MT比]])は1:1を標準としているが、本系列では駅間距離が短く、加減速頻度の多い池上・多摩川線で運用されることから、粘着性能確保の観点から2M1Tで構成される。
 
ブレーキシステムは回生併用[[電気指令式ブレーキ|電気指令空気式]]で[[遅れ込め制御]]を有する。
 
[[鉄道車両の台車|台車]]は[[東急車輛製造]]製の軸梁式軸箱支持ボルスタレス台車で、ホイールベースは2100mmである。基本構造は電動台車 (TS-1019B) ・付随台車 (TS-1020C) とも共通化されており、基礎ブレーキ装置も片押し式[[踏面ブレーキ|ユニットブレーキ]]とされている。
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[[圧縮機|空気圧縮機]]は騒音低減を図ったスクロール式で、両先頭車に各1台搭載される。
 
池上・多摩川線の保安装置は東急形[[自動列車停止装置#軌道電流式(半連続照査型・点照査型)|ATS]]・[[定位置停止装置|TASC]]であるが、[[長津田車両工場]]に[[鉄道車両の検査|検査]]など入場する際は[[自動列車制御装置#新CS-ATC|ATC]]区間を経由する必要がある。1000系や7700系などではATC車上装置が搭載されていないためにATC区間の牽引車として[[東急7200系電車#アルミ試作車→事業用車|デヤ7200・7290形]]が必要とされていたが、本系列ではATC車上装置を搭載することにより牽引車を不要とした。なお、ATC装置本体はクハ7300形に搭載、デハ7100形にはATC増幅器を搭載して両先頭車間を制御伝送するシステムである。<!--池上線・多摩川線ではTASCも使用、運転台や床下にも機器がある-->
 
===編成===
※個別の編成を指す場合は、五反田・多摩川方のデハ7100形の[[鉄道の車両番号|車両番号]]を用いて「7101F」(「F」は編成を意味する''Formation''の頭文字)のように表記される。
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!機器類
|CP
|CONT, SIV
|CP
|-
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== その他 ==
*[[2008年]][[1月9日]]に第2編成 (7102F) が営業運転を開始した頃は、先頭車の前面左上に「池上線・多摩川線 New Face SERIES 7000」と表記されたステッカーが掲出された。また、同時期に第1編成 (7101F) にも「池上線・多摩川線7000系デビュー」と表記されたステッカーが掲出された。
*[[2008年]]度に導入された編成から、クロスシート部分の取っ手の形状が変化している。これは、[[2007年]]度に導入された編成の取っ手が持ちにくいとの意見を反映したものである。
*2008年[[11月2日]]に第1編成が、翌[[11月3日|3日]]に第4編成 (7104F) が「[[多摩川アートラインプロジェクト]]'08」貸切列車として[[東急多摩川線]]を走行した。
 
==参考文献==