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'''ヴァルター・ブルケルト'''('''Walter Burkert'''、[[1931年]][[2月2日]] - )は、ドイツの[[
[[バイエルン州]]の[[ノイエンデッテルザウ]]生まれ。[[チューリヒ大学]]古典学名誉教授であり、[[イギリス]]と[[アメリカ合衆国]]でも教えている。1960年代以降の、詩人や歴史家、哲学者の著作と[[考古学]]・[[碑文]]研究における発見を現代的手法で関連させた[[宗教学]]に影響を受けた世代にあたる。儀礼と古代信仰の残存、宗教の核心に存在する儀礼的殺人、秘儀宗教、ギリシア宗教をより広いエーゲ海・中東に位置づけた、[[ヘレニズム]]世界における[[オリエント]]文化の受容などについての著書を出版している。
ブルケルトはベルリン・ブランデンブルク科学アカデミーおよび欧州学術院の正会員であり、英国アカデミーおよびハイデルベルク学術アカデミー、ブラウンシュヴァイク学術協会、バイエルン学術アカデミー、オーストリア学術アカデミーの客員研究員であり、アメリカ哲学協会および[[アメリカ芸術科学アカデミー]]の外国会員であり、ギリシア研究振興協会の名誉会員である。現在までに5つの名誉博士号を授与されている。
=== 第一期 ===
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=== 第二期 ===
第二期は、古代ギリシアの宗教人類学の著作である『ホモ・ネカーンス』がイタリア語訳で出版され(1981)、続いて英語訳が出版(1983)されたところから始まる(日本語訳は2008年)。今日では、『ホモ・ネカーンス』はギリシアにおける宗教概念の卓越した解説だとみなされている。チューリッヒ大学では1969年から1996年まで古典文献学の教授だった。1977年と1988年には[[カリフォルニア大学]]の古代文学の客員教授で、1982年はハーヴァード大学の講師、チューリッヒ大学哲学部の学部長(1986-1988)であり、[[セント・アンドリューズ大学 (スコットランド)]]ではギフォード講義を行なった(1989)。1990年には[[バルザン賞]]を受賞した。1996年には名誉教授として引退した。1999年には[[プール・ル・メリット勲章]]を授与された。2008年には[[ドイツ連邦共和国功労勲章]]を授与された。
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ブルケルトは多くの著作をものしているが、なかでも重要なのは『ホモ・ネカーンス』(1972)、『ギリシア宗教』(1977)、『古代秘儀宗教』(1982年の講義、1987年に出版)の三作である。いずれもギリシア宗教研究の基本書となっている。
ブルケルトは『ホモ・ネカーンス』英語訳の序文において、自らを「古代ギリシアのテクストから始めた文献学者であり、宗教現象に対して生物学的、心理学的、そして社会学的理解を探求している」と紹介している<ref>Introduction, p. xix. ただしブルケルトは社会学に重点を置いているものの、生物学についてはそうでもない。</ref>。そして1972年時点のドイツ語読者に対してある意味革新的だった、神話・儀礼間の相互関係性([[ジェームズ・フレイザー]]やケンブリッジ儀礼学派の影響)やジェーン・E・ハリソンの『テミス』<ref>ハリソンの『テミス』が特に挙げられている……p. xiii.</ref>に見られるような[[機能主義]]、そしてギリシア宗教の[[行動学]]と社会的側面を解明するための[[構造主義]]的手法を利用したことが『ホモ・ネカーンス』の根底にある原則の一部であるとしている。ブルケルトは本書における起動力となったのは、暴力の不安定な現れに対して新たな洞察をもたらした[[コンラート・ローレンツ]]の『攻撃』であったと認めている。「本書は、ギリシア人にとって団結とは贖いを伴う聖犯罪を通して達成されるものだった、ということを議論している。古代宗教における動物供犠の奇妙な卓越性にしてみても、このことはもっとも経済的で、もっとも人間的な解釈であった」(p. xv)。第一章「殺す行為としての犠牲」で提示される諸々の結論は、続く諸章において行なわれる神話、祭儀、儀礼の個別分析によって補強される。そこにおいては、詩的創造と再創造(re-creation)の役割は「可能な限り十全に伝統の力や効果と対峙するため」無視されているのである。ブルケルトは、「神」なる術語は依然として流動的だが、犠牲は「事実」なのだ、と結論付けている(p. xv)。
==関連項目==
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== 著作 ==
*''Homo Necans. Interpretationen altgriechischer Opferriten und Mythen.'' Berlin 1972. ISBN 3-11-003875-7
日本語訳のみ▼
*''Griechische Religion der archaischen und klassischen Epoche.'' Stuttgart 1977. ISBN 3-17-004345-5
*
*''Die orientalisierende Epoche in der griechischen Religion und Literatur.'' Heidelberg 1984. ISBN 3-533-03528-X
*''Antike Mysterien, Funktionen und Gehalt.'' München 1987. ISBN 3-406-34259-0
*''Klassisches Altertum und antikes Christentum.'' Berlin 1996. ISBN 3-11-015543-5
*''Kulte des Altertums. Biologische Grundlagen der Religion.'' München 1998. ISBN 3-406-43355-3
*''Die Griechen und der Orient.'' München 2004. ISBN 3-406-50247-4
*『ギリシャの神話と儀礼』(1985) 橋本隆夫訳 リブロポート
*『人はなぜ神を創りだすのか』(1998) 松浦俊輔訳 青土社
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*『ホモ・ネカーンス』(2008) 前野佳彦訳 法政大学出版局
▲*{{cite book | year = 1979 | title = Structure and History in Greek Mythology and Ritual | publisher = University of California Press | location = Berkeley | id = ISBN 0-520-03771-5}}
== 外部リンク ==
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