「子実体」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Ks (会話 | 投稿記録)
22行目:
 
*[[子のう菌]]門
**[[有性生殖]]に際して、多くのものは子のう胞子を子実体の中に形成する。子のう菌類の子実体を'''子のう果'''という。原始的なものでは、出口のない球形の袋状になった構造の中に、まばらに子のうが入っている。これを'''閉子のう殻'''という。秋にクワなどの樹木の葉に寄生した[[ウドンコ病菌]]を観察すると、これを観察することができる。他のものでは、子のうは細長い袋状で、一面にならんで'''子実層'''を造り、これを覆う構造が発達する。子実層を覆う構造が、子実層をとじ込めて、胞子を出す口を持つ壷状になったものを'''子のう殻'''といい、ほとんどが1mm未満の小さなものである。[[冬虫夏草|虫草菌]]類のように、さらにこの'''子のう殻'''を群生する棍棒状の大型子実体を発達させるものもある。子実層を皿状に囲んで子実層を外面に見せるのが'''子のう盤'''といい、これが大きくなったものが[[チャワンタケ]]類である。ノボリリュウや[[アミガサタケ]]は開子のう盤に柄が生えた形である。また、栄養菌糸が子のうのはいる空間を形成し、ここに子実層ができる、'''子のう子座'''というものを形成するものもある。これの一見子のう殻に似ているものは擬子のう殻とも呼ばれるが、壁ができて中に子のうを形成するのではなく、菌糸の塊の中に空洞ができて、そこに子のうが形成される点が異なる。
**多くの子のう菌は[[無性生殖]]による胞子、つまり[[分生子]]が通常の生活を営んでいる菌糸体の表面に形成される。いわゆる[[カビ]]に胞子ができた状態である。しかし、中には表面に分生子を形成する複雑な子実体を作るものもある。この分生子を生ずる子実体を'''分生子果'''と呼ぶ。
 
*[[担子菌門]]
**子のう菌と同様、幾つかの型に別れる。多くのものは傘をもつ、いわゆる一般的な印象としての[[キノコ]]を形成する。キノコの傘の裏面には、ひだや管が並び、その側面から[[有性生殖]]による担子[[胞子]]を放出する。この形からの変形としては、柄がなくて、直接に傘が枯れ木から出るもの、傘の裏面だけが枯れ木の表面に並ぶものなどがある。また、担子胞子と同時に子実体の他の部分に[[無性生殖]]による[[分生子]]を形成するものもある。イグチ類に寄生するヤグラタケでは、襞に担子胞子を作ると同時に傘の組織が表面から次々と分生子に変化して粉状に分解していく。
**傘を作らず、袋状の構造の内部に胞子を作るものもあり、それらをまとめて[[腹菌類]]という。胞子は成熟すると袋が破れてできた口から噴出する([[ホコリタケ]]・[[ツチグリ]]など)、袋の表面が砕けて出る([[ノウタケ]]など)、胞子を着けた柄が袋から伸び出す(スッポンタケなど)と、様々な方法で放出される。現在では、この群は自然分類群ではなく、襞や管の表面に担子胞子を形成していた通常のキノコの様々なグループから、多元的に出現した多系統と見なされている。
**このほかに、[[キクラゲ]]のように吸水性に富んだ軟骨質やゼリー状の柔らかな子実体をもつものがあり、膠質菌と呼ばれる。子実体の形は貝殻状、花びら状など様々。
 
==その他の生物の子実体==