「定量的構造活性相関」の版間の差分

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それに対し化学構造と物理的性質との関係を[[QSPR]]('''Q'''uantitative '''S'''tructure-'''P'''roperty '''R'''elationship、定量的構造'''物性'''相関)という。両者は密接な関係があり方法論的にも共通する部分が多い。QSARを英語では「クェイサー」、日本語では「キューサー」と発音することが多い。
 
ハンシュCorwin Hanschによって研究が始められ、[[1964年]]にハンシュと藤田稔夫が発表した方法(Hansch-Fujita法)が代表的な方法として知られる。
方法としては、対象とする化合物の構造を表現する数量(幾何学的構造を表す記述子、[[HOMO]]や[[LUMO]]([[フロンティア軌道理論]]参照)の[[エネルギー]]、あるいは[[電気陰性度]]といった電子的記述子など)を抽出し、構造的に類似する一連の物質に関してこれら数量と活性との関係を[[統計学]]的に([[回帰分析]]などを用い)検討する。薬効であれ、毒性であれ、[[酵素]]や[[受容体]]など生体内物質と薬剤との相互作用である。QSARではその一方のみを指標化して統計解析するので予測性はまったくといっていいほど無く、多数の薬剤の中から選抜する指標以上の意味は持たない。
 
方法としては、化合物の[[疎水性]]、対象とする化合物の構造を表現する数量(幾何学的構造を表す記述子、[[HOMO]]や[[LUMO]]([[フロンティア軌道理論]]参照)の[[エネルギー]]、あるいは[[ハメットの置換基定数]]、[[電気陰性度]]といった電子的記述子など)を抽出し、構造的に類似する一連の物質に関してこれら数量と活性との関係を[[統計学]]的に([[回帰分析]]などを用い)検討する。薬効であれ、毒性であれ、[[酵素]]や[[受容体]]など生体内物質と薬剤との相互作用である。QSARではその一方のみを指標化して統計解析するので予測性はまったくといっていいほど無く、多数の薬剤の中から選抜する指標以上の意味は持たない。
[[計算化学]]の一部門であり、方法的には[[計算機化学]]ということができる。
 
[[計算化学]]の一部門であり、方法的には[[計算機化学]]ということができる。
==関連事項==
*[[リピンスキーの法則]]
[[Category:化学|ていりようてきこうぞうかつせいそうかん]][[Category:薬学|ていりようてきこうぞうかつせいそうかん]]