「ドルスス・カエサル」の版間の差分

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23年、ドルススは成人式を迎えた。父ゲルマニクスは元首の有力な後継者候補であったため、その子ネロとドルススは特例的な顕職で飾られた。兄の成人時と同様にドルススもティベリウスから予定[[クァエストル]]とされ、[[元老院]]議員に列せられた。
 
同じ年、ゲルマニクスの死後ドルススらの父代わりとなっていた小ドルススが病没する。ゲルマニクス亡き後、実質上のティベリウスの後継者となっていた小ドルススの死で、兄ネロと共にドルススは有力な後継者候補となった。小ドルススの死因は実際には[[親衛隊 (ローマ帝国)プラエトリアニ|親衛隊]]長官[[ルキウス・アエリウス・セイヤヌス]]による暗殺であったが、この事実は31年まで知られなかった。以後自らの権勢拡大を図るセイヤヌスの野心は、後継者となったゲルマニクスの遺児たちに向けられていく。
 
翌24年年初、元首の健康祈願に際して、後継者候補のネロとドルススの名も加えて祈願が行なわれた。これはゲルマニクスの遺児に対する好意の表明であると共に、彼らに顕職を与えたティベリウスに迎合するものでもあった。しかしティベリウスはこれに対して時期尚早であると戒めた。