「呼吸困難」の版間の差分

編集の要約なし
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|- style="text-align:left; background-color:#CCCCCC;"
!nowrap|パラメータ!!nowrap|設定値
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|換気モード||SIMV
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|FiO2||1.0
[[気管内挿管]]を行う際に必要なこととしては、[[全身麻酔]]である。[[意識障害]]があれば不要なこともあるが、鎮痛、鎮静、筋弛緩が必要であり、鎮痛は[[オピオイド]]で鎮静は[[静脈麻酔薬]]で筋弛緩は[[筋弛緩薬]]で行う(厳密な意味ではオピオイドには鎮静作用もあるのだが簡略化する)。
;鎮静
プロポフォールやミダゾラム(ドルミカム)が好まれる。ミダゾラムは同じ[[ベンゾジアピン]]系の中でも副作用が[[ジアゼパム]](セルシン)よりも少なく、半減期が2~4時間と短いのが好まれる理由である。静注で行うのなら、初回投与はドルミカムならば5mg、セルシンならば10mg程度である。オピオイドを併用すると鎮痛、鎮咳作用によって挿管は容易になるが呼吸抑制が顕著にでるため注意が必要である。静注で併用するのならばフェンタニル0.05mg程度ば無難である。
*ディプリパン原液を2ml/hより開始 。
*ドルミカム10A(100mg/20ml)を1ml/hから開始 。体動を認めたら1mlフラッシュする。
 
ここまで行えば、重症患者に対して最低限の維持ができるので採血、[[X線写真]]、[[心臓超音波検査]]、[[腹部超音波検査]]を行い、治療に向けた計画を作成する。
 
== 人工呼吸器の調節 ==
前項では患者情報が不十分でも人工呼吸器の導入が可能な無難な設定を示したが、このままでは長期管理が難しく、各種パラメータの調節が必要である。なお、患者情報が十分あれば、はじめから調整された値で人工呼吸器導入を行う方が安全である。設定が適切でない場合はファイティングやバッキングによって十分な換気が得られなくなる。
;吸気酸素濃度(FiO2)
人工呼吸器導入直後は原則としてFiO2は1.0とする。これはリークをはじめとした回路のトラブルを防ぐ目的がある。呼吸器が正常に作動しており酸素濃度の低下も認められないようならば酸素飽和度をモニタリングしながらFiO2を下げていく。FiO2が1.0の場合は3時間もすると肺胞障害が始まるといわれている。FiO2が0.6となると3日ほどは肺障害を免れる。FiO2が0.4程度になれば、長期間理も可能になる。なおPaCO2の貯留は人工呼吸器で呼吸ができていれば神経質になる必要はない。明らかなバッキング、ファイティングが認められた場合は調節を行う。
;一回換気量と換気回数
一回換気量は6~10ml/Kgであり、呼吸数は拘束性障害であれば14~25回/min,閉塞性障害であれば6~12回/minが良いと言われている。病態が不明ならば1回換気量450mlで呼吸数が15回/minというのは無難な値である。SIMVで自発呼吸によって呼吸数が異常に多い場合は[[アシドーシス]]の代償や[[気胸]]、片肺挿管の可能性があるため、X線写真で評価を行う。このような原因が見当たらなければプレッシャーサポートの圧を上げたり、鎮静を深くするといった対応が考えられる。
;PEEP
PEEPに関しては血圧に余裕がない場合を除いて3~5cmH2Oが無難であると考えられている。この値が生理的なPEEPであるためである。PEEPが0では呼気終末に肺胞が虚脱するためCOPDの患者では問題となる。
;プレッシャーサポート圧
プレッシャーサポート換気とは自発呼吸時に、患者が作り出す陰圧に反応して設定したプレッシャーサポート圧で吸入ガスを供給する換気法である。患者の吸気流量が最大吸気量の25%未満となった場合は圧の負荷が停止するというものである。患者の自発呼吸によって吸気時間と吸気量は決定される自発呼吸増強のための呼吸モードである。かつては血液ガスのデータをより改善すれば、状態は良くなると考えられていたためプレッシャーサポート換気は重要視されなかったものの[[ARDS]]や[[気管支喘息]]に対して肺愛護換気によって気胸などの合併症が激減したことからその他の疾患でも用いられるようになってきている。PSは10~15cmH2Oで至適横隔膜負荷と言われている。30cmH2Oとなると横隔膜の仕事が0になるといわれPSの最大値と考えられている。
 
== CO2ナルコーシスと低酸素血症 ==
COPDの患者の呼吸困難の場合、高濃度の酸素を投与するとCO2ナルコーシスとなり自発呼吸の停止、および意識障害にいたることが知られている。しかしCO2ナルコーシス自体は挿管すれば回復しえるので、低酸素血症にいたるのならば、躊躇なく高濃度酸素は使用するべきだと考えられている。PaO2<60mmHgでは生命に危険が生じる場合もあるがPaCO2は100mmHg程度まで上昇しても後遺症は殆ど存在しないと考えられている。ウィーニングの際はPSは徐々に下げていき、PS5cmH2O,PEEP5cmH2Oとなれば抜管可能といわれている。
 
== 関連項目 ==