「呼吸困難」の版間の差分

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===人工呼吸器の初期設定と挿管===
2008年現在、大抵の人工呼吸器にはSIMVモードがあり、プレッシャーサポートがついているためそれを前提とする。患者の体格や病態によって適切な人工呼吸器の設定というものが存在し、集中治療の分野では様々な研究がされている。しかし、気管内挿管が必要な場合、それらの評価を行う時間やデータが不足している場合も多々ある。適切な設定値を求めるあまり気管内挿管が遅れるようでは意味がないので無難な量を纏める。想定しているのは体重が60Kgの成人である。挿管前に準備するものとしては[[サクション]]キット、[[アンビューバック]]か[[ジャクソンリース]]、SpO2モニター、心電図モニター、呼吸器以外に扱える酸素配管などを確認しておく。
{| class="wikitable"
{| border="1" cellpadding="3" cellspacing="0" style="margin:auto; text-align:left;"
|- style="text-align:left; background-color:#CCCCCC;"
!nowrap|パラメータ!!nowrap|設定値
|-
一回換気量は6~10ml/Kgであり、呼吸数は拘束性障害であれば14~25回/min,閉塞性障害であれば6~12回/minが良いと言われている。病態が不明ならば1回換気量450mlで呼吸数が15回/minというのは無難な値である。SIMVで自発呼吸によって呼吸数が異常に多い場合は[[アシドーシス]]の代償や[[気胸]]、片肺挿管の可能性があるため、X線写真で評価を行う。このような原因が見当たらなければプレッシャーサポートの圧を上げたり、鎮静を深くするといった対応が考えられる。
;PEEP
PEEPとは呼気終末陽圧のことである。人工呼吸依存患者ではPEEPがないと呼気終末の遠位気道の虚脱が起こると考えられている。原則としては肺障害がない場合は必要がないが、肺障害の程度によってPEEPが酸素化改善の目的で用いられる。PEEPに関しては血圧に余裕がない場合を除いて3~5cmH2Oが無難であると考えられている。この値が生理的なPEEPであるとかつては考えられていたためである。2008年現在、生理的なPEEPが0で呼気終末存在せず、PEEPよる障害の可能性なども検討されている虚脱コンセンサスが得られていない。最小限のPEEP、least PEEP,best PEEP,agressive PEEPという様々な考え方が存在するためCOPDの患者。ARDSなどでは問題PEEPを20cmH2Oほどかけるこもある。
 
;プレッシャーサポート圧
プレッシャーサポート換気とは自発呼吸時に、患者が作り出す陰圧に反応して設定したプレッシャーサポート圧で吸入ガスを供給する換気法である。患者の吸気流量が最大吸気量の25%未満となった場合は圧の負荷が停止するというものである。患者の自発呼吸によって吸気時間と吸気量は決定される自発呼吸増強のための呼吸モードである。かつては血液ガスのデータをより改善すれば、状態は良くなると考えられていたためプレッシャーサポート換気は重要視されなかったものの[[ARDS]]や[[気管支喘息]]に対して肺愛護換気によって気胸などの合併症が激減したことからその他の疾患でも用いられるようになってきている。PSは10~15cmH2Oで至適横隔膜負荷と言われている。30cmH2Oとなると横隔膜の仕事が0になるといわれPSの最大値と考えられている。
;その他
意識レベルの低下、不穏、発汗異常で中止することができる。
 
== 非侵襲的換気療法(NPPV) ==
NPPV([[非侵襲的換気療法]])とは気管内挿管や気管切開を行わず鼻マスクや口鼻マスク、フェイスマスクを用いて陽圧呼吸を行うことである。挿管を行わないため会話、食事が可能となるのがメリットであるが挿管しないために十分な気道内圧が得られず呼吸不全の改善に十分な効果が得られない場合もある。COPDの急性増悪時、心原性肺水腫、免疫抑制剤使用中の患者(感染のリスクを軽減するため)によく用いられる陽圧換気法である。よく用いられる機械にBiPAP Visionというものがある。NPPVでFiO2の設定ができる機種であるが、モードのBiPAPと紛らわしい。QOLを考えた場合は有効な選択であるが、効果不十分と判断したら速やかに人工呼吸器に移行する。
=== 換気モード ===
;S/Tモード
SモードとはIPAP(吸気陽圧)とEPAP(呼気陽圧)を設定し、自発呼吸に合わせてIPAP/EPAPと圧が変化していくモードである。Tモードとはあらかじめ設定してある呼吸数に合わせて圧が変化していくモードである。S/TモードはSIMVのように自発呼吸を優先し通常はSモードであり、自発呼吸が停止するとTモードに切り替わるモードである。
;CPAP
持続的気道内陽圧をかけるモードである。強制換気をせず常に陽圧をかけることである。[[心不全]]の治療や睡眠時無呼吸症候群でのnasal CPAPが有名である。
;BiPAP
2種類の気道内陽圧をかけるモードである。
=== 初期設定 ===
{| class="wikitable"
!nowrap|パラメータ!!nowrap|設定値
|-
|換気モード||S/Tモード
|-
|FiO2||SpO2>90%となるように調節。
|-
|IPAP||10cmH2O
|-
|EPAP||4cmH2O
|-
|back up rate||12分
|}
 
== CO2ナルコーシスと低酸素血症 ==