「紫外可視近赤外分光法」の版間の差分

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'''紫外・可視・近赤外分光法'''(UV-Vis-NIR)は、[[紫外線|紫外]](UV、UltraViolet)、[[可視光線|可視]](Vis、Visible)、および[[近赤外線|近赤外]](NIR、Near InfraRed)領域の光吸収を測定する[[分光法]]である。通常、200-1500nm程度の波長範囲について測定する。
 
 
一般に、この範囲の吸光は、分子内の[[電子遷移]]に由来する。遷移過程としては、π-π*遷移、n-π*遷移、d-d遷移、金属-配位子間電荷移動(MLCT)、原子価間電荷移動移動(IVCT)などがあるが、このような遷移過程を持つ分子は比較的少ない(ちなみに[[赤外吸収]]は分子振動・回転に由来するため、ほとんど全ての分子が示す)。
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したがって、本法の対象となる試料は限られたものとなる。しかしながら、測定が容易であること、結果が肉眼での観察と一致しわかりやすいこと、分子によっては極めて特徴的なスペクトルを示すこと([[ポルフィリン]]など)、スペクトルが物質の状態によって敏感に変化することなどから、特に[[錯体化学]]や[[分析化学]]で頻繁に用いられる測定法である。
 
次に、ベンゼンとその縮合芳香環化合物の吸収スペクトルの例を示す(図の黒腺)。
 
[[画像:説明 色素1.png|inline|スペクトルの例]]
 
グラフ左側の灰色地の領域が紫外領域、右側の灰色地の領域が近赤外部になる。共役π電子系が長大となるにつれ、極大吸収波長λが長波長側にシフトしてゆくので、吸収が紫外領域から可視領域へと伸展して行く。
 
;対象となる試料