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またそのようなテキスト中心のものとは対照的に、'''スーパープレイ'''と呼ばれるゲームの達人的プレイ動画を扱ったサイトもある。こちらは主にアーケードや次世代機の[[シューティングゲーム]]やアクションゲーム、[[落ち物パズル]]を扱った物が多い。RPGなどの動画も稀に見られる。[[YouTube]]などの[[動画共有サイト]]を中心にプレイ動画が公開されている。かつてはファミコン等の動画を扱ったサイトもあったが、後述のTASの発展によりあまり見受けられなくなった。
 
== Tool-Assisted Speedrun (TAS) ==
人間がリアルタイムで実際にプレイしたものとは別に、実際のゲーム機(実機)では実現が困難なプレイを[[エミュレータ]]上の操作で行っている動画も存在する。これらは'''[[TAS]]'''([[:en:Tool-assisted speedrun|tool-assisted speedrun]] / ツールアシステッドスピードラン、「道具を利用したタイムアタック」という意味)と呼ばれる。
 
概要としては可能な限り速くゲームをクリアできる操作記録(リプレイ)を後述のような方法で作成し、これをエミュレータで再生するものである。
 
=== TASの操作 ===
TASの具体的な操作として、以下のものが挙げられる。
; ムービーの追記
: メモリ上のデータを小まめにセーブしながらゲームの操作を記録していき、失敗した時は直前のデータをロードし直して良い結果のみを残す。動画公開時には、その追記回数と「This is a Tool-assisted movie.(ツールでアシストされた動画)」等を記すのが慣習となっている。
; メモリビューア
: [[メモリ]]内容を表示させ、特定[[メモリアドレス|アドレス]]のメモリ内容からアイテムの出現や[[エンカウント]]のタイミングを把握する。いわゆる[[運]]操作 (Luck Manipulation) といわれるもの。この他、キー操作の最適化などにも使われる。
; [[フレームレート]]の操作
: [[スローモーション]]状態でプレイして、人間には難しいフレーム単位の正確な細かい動きを実現する。また、[[バグ]]を利用した壁抜けなどのショートカットなどを確実に成功させたり、通常のプレイでは成功確率がかなり低く簡単に再現できないような現象をも100%発生させるなど、ゲーム上の仕様をフルに活用してプレイする。
 
これらは、コンピュータゲームで言う[[チート]]のようにメモリを書き換えるわけではないため、実機上で再現は理論上は実行可能であるが、あくまでも数値やデータでの理論上であり、人間の能力(反射神経・動体視力など)上で再現可能とはいえない。実際にスーパーメトロイドの「水中片面キッククライム」という技は、誤差0フレーム(1フレーム=1/60秒)の連続入力が必要となるため、実機では再現不能である。
 
操作記録を再生すると通常のプレイと同じ様に見えるが、データ改造などは行っていないので、これらの特殊な操作の有無を見分けるのが難しい場合がある。よってデータ改造を行っていない事を証明するために操作記録のデータを公開する事も少なくない。しかし、これらの実現の困難な操作記録を作成する行為を「広義の意味でのチート行為のひとつ」と認識している者もいることは確かである。タイムアタック系にはチートの使用は禁止されているが、ルート検証のために使うのは有用とされている。
 
=== TASの目的 ===
TASは主に、理論上で速度面における極限値を目指す参考記録的な目的、あるいは一種の芸術的な目的で行われ、ただ単純に理論値を目指すだけではなく、大道芸のような「魅せる」操作を取り入れる事が多々ある。ただしこの「魅せる」行為は基本的に全体のクリアタイムに1フレームたりとも影響を与えない場合のみにおいてのみ許容される。記録として扱われる「クリアタイム」の数値は、ソフト自体にクリアタイムを表示させられるタイトル(例:[[メトロイド]])はそのタイムが記録として扱われ、タイムが表示されないソフトはソフトを起動させた時点からカウントを開始し、最後のキー入力を行った時点で終了扱いとする場合が多い。よって、タイトル画面でスタートを押す前から既にカウントは始まっているのである。また特別な事情が無い限りパスワードは使用せず、バッテリーバックアップのあるゲームはこれを初期化された状態から始める。
 
メジャーなTASは
*any% - 取得アイテム数制限無し
*low% - 最小アイテム取得数クリア
*100% - 全アイテム取得クリア
の3個に分かれていて、実機プレー(RSRやRTS、RTAなどと呼ばれる)でもこれに準じた世界記録を認定している。ただRSRの場合にはセーブの有無が増えて6種類となっている。例を挙げれば[[スーパーマリオ64]]はLow%の記録がAny%の記録と共通となるが、[[スーパーメトロイド]]ではアイテム取得によるタイムロスが、取得によるメリットより小さいため、Low%よりAny%の方が速い記録が出る…とされていたが、2008年に入り壁抜けバグとリセットを組み合わせる事によりLow%がAny%の記録を超えてしまっている。
 
=== TAP ===
また、上記のようにツールを利用しているが「speedrun(タイムアタック)」ではないプレイについては、'''TAP'''(tool-assisted play、またはtool-assisted performanceの略)と呼称されることがある。これらは、人間では不可能に近い動作や滅多にお目にかかれないバグ技など、遊び心のある魅せプレイなどを行うことを目的としていることが多い。
 
なお、エミュレーターを使用しているため、常時チートを使用して体力を極限まで減らしてプレイする猛者もいる。
 
=== 「TASさん」という呼称 ===
なお近年の日本のネット上、主に動画共有サイトにおいて「TASさん」(タスさん)など一人の人間のように呼称されることがある。これは[[ニコニコ動画]]に投稿された「[[スーパーマリオカート]]」の動画において、TASを本来の意味ではなく「プレイヤーの名前」として呼称したことが発祥である。上記の通りTASとは行為であって固有人名ではない。そこから転じて、TASを知らない人をからかうためや、TAS行為全般の[[愛称]]、一種のネタ話などとして使われだした。現在は、TASをしたプレイヤーが匿名なのもあって、呼びやすいように代名詞として使い、尊敬の意味を込めて「TASさん」とさん付けで呼ぶことが多い。この辺りの言葉の使い方はハイスコアによく登場する「AAA」と似ていて、擬人化や都市伝説化された結果、[[インターネットスラング]]の一種となりつつある。
 
なお、実際のプレイヤー名は、動画化されている場合は普通プレイ冒頭にテロップ表示されることが多いので、そこで確認できる。
 
余談ではあるが、この呼び方の延長としてTAPでも「TAPさん」(タップさん)なる人がいる、とする事もあるようである。TASさんと同一人物であったり友人であったり設定は様々なようだが、もちろんこれもネタである。
 
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