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言葉が明瞭に聞こえることを条件にするならば、声の高さの上限はある程度定まる。重要な[[フォルマント]]のひとつが500~1000Hzの間に現れるため、声の高さ(基本周波数)が500Hzを超えると母音(特にoの母音)が不明瞭になり始める。(500Hzは鍵盤でいうと[[ロ (音名)#各オクターブのロ|B4]]の辺りになる。また、古いベルカントの訓練法には純粋な母音を出すための訓練があるが、[[ハ (音名)#各オクターブのハ|C5]]より上の音では行わないのが原則とされる。)さらに1000Hz近くまで達すると、もう全く、母音を表すことは不可能になる。下限は70~100Hz程度(これを下回ると正門閉鎖期が声道の共鳴周期を大きく超えてしまうため連続的な音に聞こえなくなる。)なので発語可能な音域は4オクターブ程度といえる。
<!--[[en:Vocal range]]-->
===声域の過剰表現===
[[地声]]で[[アルト]]歌手並みの高音が出せたり、[[ソプラノ]]歌手のような裏声が出せる男性歌手、ホイッスルボイスを使用する女性歌手のキャッチコピーに「4オクターブ」や「5オクターブ」という言葉が使われるが、そのような歌手の実際の声域は3~3.5オクターブ程であることが多い。
科学的ピッチ表記法を使用した5オクターブの声域は、例えば最高音が[[音名・階名表記#オクターブ表記|A6]](ホイッスルボイス)の女性歌手の場合。成立させるためには、[[音名・階名表記#オクターブ表記|A1]](ピアノの下から二番目のラ)まで出せる必要があるが、これは[[バス]]歌手の最低音よりも低い音で、女性の声帯で発声するには不可能に等しい低音である。
そのような過剰な表現が増えたため、地声が高い=4オクターブ。裏声、ホイッスルボイスが出せる=5オクターブ。というルールができつつある。
ちなみに5オクターブは[[マライア・キャリー]]の本当の声域であるが、彼女はバリトン歌手並みの低音([[G#2]])からハープの最高音に匹敵するホイッスルボイス(G#7)まで出すことができるためこの声域を実現している。
 
===声種の名称===
「声種」は、<!--より一般には声の(特に声楽的な扱いでの)音色のことだが{{要出典}}←声種が音域にリダイレクトされていることを考えれば必ずしもそのように断言することは出来ないと思われます。以下のコメントアウトの理由も同様。-->(特に声楽的な扱いでの)音色、声質を指して用いられることもあるが、主にクラシック音楽における[[声楽家]]個人の音域を示す言葉としても知られている。声種は、声の音色<!--(従って広義の声種)-->と声域と合わせて区別するものであるが、<!--「高い声が出るからソプラノ」とか「出ないからアルト」といった単純なものではない(本来は)。-->適切な訓練を経て能力の開発された歌手の場合は音域がより優先される。このため、バリトンのような太く逞しい声質のテノールや、逆にテノールのような軽い声質のバリトンなどが存在する。