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'''俳名'''(はいめい/はいみょう) は、[[俳句]]を作る際に用いる[[]]の意であるが、現在はその意味ではもっぱら「俳号」「号」という呼びかたが主で、通常俳名という場合には[[歌舞伎]]役者が持つ異名をさすことが多い。
 
 [[江戸時代]]、歌舞伎役者には素養として俳句をはじめとする風流の道をたしなむ者が多く、もともとはそのための号として俳名が生れたわけだが、これが一般化するにつれて俳名が役者の通称がわりとなり、舞台に声を掛ける際などにも使われるようになった。江戸時代後期に入ると名題以上の役者は、屋号、芸名のほかに、俳句を作る作らないにかかわりなく必ず俳名を持つようになり、後にはその俳名が独立してひとつの名跡となることもあった。例えば尾上菊五郎系統の梅幸、松緑、中村歌右衛門系統の芝翫、梅玉、片岡仁左衛門系統の我童、我当、芦燕などは俳名由来の名跡であるし、二代目市川猿之助が名乗った初代猿翁、八代目松本幸四郎が名乗った初代白鸚などはそれまで彼らが使っていた俳名を隠居名として名跡にしたものである。役者たちのために作られる'''書抜き'''(台本のうちその役の科白だけを書抜いたもの)の表紙には、役名と俳名のみが書かれ、市川何某という芸名は記されないことが多い。名題役者に対する優遇の一つといえるだろう。ちなみに現在では俳名由来の名跡を継いだ役者にもそれとは別に俳名がある。例えば七代目尾上梅幸の俳号は「扇舎」であった。
 
[[category:歌舞伎|はいめい]]