「無糸分裂」の版間の差分

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'''無糸分裂'''(むしぶんれつ amitosis)と言われるのは、[[真核細胞]]の細胞分裂において、[[細胞核|核]]が[[餅]]をくびるように中央でくびれて二つに分かれ、それから[[細胞質]]が分かれるような細胞分裂を指した言葉である。'''直接分裂'''とも言われる。動物や植物の細胞に普通に見られる、いわゆる[[体細胞分裂]]では[[核膜]]が消失し、[[染色体]]が姿を表わし、それを分けるための[[紡錘体]]が形成される。このような分裂を[[有糸分裂]]と呼ぶが、無糸分裂ではそのような糸([[紡錘体]])が見られないためにこのように呼ばれるようになった。つまり複雑な[[分裂装置]]が形成されない細胞分裂である。
 
かつてはこの型の分裂は、生物の細胞分裂において有糸分裂と並ぶ重要な二つの型の一つと見なされ、「細胞分裂は有糸分裂と無糸分裂の二つがあり」という説明よく見かけられた。無糸分裂を行うのは、[[ゾウリムシ]]などの[[単細胞生物]]や、[[多細胞生物]]では[[ムラサキツユクサ]]の[[花]]の花糸などごく一部に見られるとされていた。
 
ところが、[[原生生物]]の[[細胞学]]が次第に明らかになるにつれ、その核分裂がそれほど単純なものではないことが明らかになった。有糸分裂を行うものも多い。[[変形菌]]等では核膜が消失しないで分裂が行われるが、その場合でも、その内部では染色体や分裂装置が形成されているものがあることも発見され、それが有糸分裂と本質的に差がないことが分かった。